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明治150年記念 水彩画家・大下藤次郎展 島根県立石見美術館コレクション
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Published: January 21 2018
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大下藤次郎《檜原湖の秋》1907年 水彩、紙 島根県立石見美術館蔵

  水彩画は、西洋に由来する絵画技法のひとつです。日本には、幕末から明治の開国を経て本格的に持ち込まれるようになりました。その後、学校教育に取り入れられたこともあって、現在では多くの人が実際に手がけたことがある、身近な絵画技法となっています。
   本展は、日本における水彩画の黎明期といえる明治時代、その発展と普及に大きな役割を果たした大下藤次郎(おおした とうじろう)の業績を紹介するものです。
   大下は、1870(明治3)年、東京の商家に生まれました。家業を継ぐことを期待されながらも画家を志し、満21歳の時にその道を選択します。大下が興味を抱いたのは、西洋からもたらされた新しい絵画でした。大下は、洋画家の中丸精十郎、続いて原田直次郎に師事して技法を学びはじめます。ただし洋画家の多くが油彩による制作を中心としていく一方で、大下は水彩画への関心を深め、その専門画家となることを決意しました。
   水彩画を専らとしたのは、大下が風景を写しとる写生という行為に強く惹かれたためでした。絵具を水で溶けばすぐ描き出すことができ、道具の持ち運びも容易であるという水彩画の手軽さと即応性は、大下の志向を実現するために最適な技法だったのです。大下は、1911(明治44)年に41歳の若さで死去するまで日本各地を旅し、土地土地で見つけた風景に目を向け、そこにある美しさや情趣を水彩画の画面に表し続けました。
  また大下は、作品を描くだけでなく、水彩画の技法書や専門雑誌『みづゑ』の発行、研究所の設置などを通して、普及活動にも積極的に努めています。大下の活動は、明治30年代以降、日本各地で増え始めていた水彩画愛好者たちからの強い支持も受けて拡大し、水彩画の全国的な流行へとつながっていきました。
   本展では、日本における水彩画の開拓者であり伝道者ともいえる大下が、各地を旅しながら残した、透明感のあるみずみずしい風景画の数々を、関連資料とともにご紹介します。2018(平成30)年は、明治維新から150年を迎える年であり、まさに明治時代を生きた大下の画業を通して、その時代の日本に思いを馳せる機会ともなるでしょう。
  なお本展は、大下の著作に序文を執筆したり、本人をモデルとした小説を発表したりするなど、大下と交流の深かった森鷗外の出身地である島根県西部、石見地域に立地し、「森鷗外ゆかりの美術家の作品」を収集する島根県立石見美術館の特別なご協力により開催いたします。


   【関連事業】
 ■講演会「明治水彩画をプロデュース、大下藤次郎の多芸多才」川西由里氏(島根県立石見美術館専門学芸員)
 【日時】2月10日(土) 14時から(13時30分開場)2階ホールにて / 聴講無料、先着120名

  ■フロアレクチャー(学芸員による展示解説)
  【日時】2月11日(日)、3月4日(日)
いずれも14時から (展示室にて、要観覧券)

  ■こども美術館部 「たびたび旅に出るたび」 (小学生対象の作品鑑賞会)
 【日時】2月24日(土)14時から (当日受付にて申込必要、参加無料、同伴される保護者は要観覧券)

http://www.momaw.jp/

全文提供:和歌山県立近代美術館


会期:2018年2月10日(土) 〜 2018年3月25日(日)
時間:9:30-17:00(入場は16:30まで)
休日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始、展示替え期間。
会場:和歌山県立近代美術館

Last Updated on February 24 2018
 

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