“世の中は夢かうつつかうつつとも　夢とも知らずありてなければ” 古今和歌集　詠人知らず
～この世は夢なのか現実なのか　自分には現実とも夢とも分からない
なぜならば　この世は　存在していて存在していないのだから～
私たちはあたかも当たり前に“存在している”かのように日常を送っている。
何気ない日常の一コマである、満員電車に乗り込むサラリーマン。その存在でさえ“無い”ものかもしれないと、ふと思うことがある。
そう、当たり前に存在していると思っているものは“無い”のである。ただ私はそんなとき同時に“在る”とは何なのかを考えさせられる。
この世は存在していない幻で作られた世界なのかもしれない。私の存在すら不確かな“ありてなげれば”の世の中で、
私が作品にしたいと思うのは不思議にも確かに心が動かされたこの世の情景である。
京都府　 広隆寺　弥勒菩薩半跏思惟像の姿勢をとりシャボン玉を吹く女子高生。
女子高生という“時分の華”もまた、瞬く間に弾けるシャボン玉のように美しく儚い夢のようだ。　　　
-板垣真実-
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板垣真実は、東京藝術大学彫刻科を卒業後、個展や国内外のアートフェアで発表を重ねてきた。
その作品は、桐の粉末に糊を混ぜて作る粘土＝桐塑を素材に、ありふれた日常に生きる人々をモチーフとしたもの。
本展では、新たに仏像のポーズを取り入れたものを発表している。

全文提供：鎭西永美子

会期：2017年9月2日(土)　〜 2017年9月24日(日)
時間：12：00～19：00
休日：月曜日・火曜日
会場：NANATASU GALLERY