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横谷研二展(2017)
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2017年 6月 15日

2016年作品

横谷研二は一貫して段ボールを素材とした空間造形を探求しています。その手法は、まず段ボールを約5mmの巾で細長く切り出し、その断面の波形が表になるように繋ぎ直し、内部構造が外面へと変換された面を作り出します。その新たな面を組み合わせてできる四角柱の構造は見る角度によって様々に印象を変化させます。

シンプルであると同時に極めて精度を要する作業の数限りない反復からは、作者の精神性がうかがわれます。横谷はユリの花の栽培を生業としていますが、花の出荷の際の梱包材である段ボールもかつては植物であったことに思いいたり、この作品のシリーズを始めたそうです。無表情な消費物である段ボールというものに惜しみなく心を注ぐ横谷氏の作品は、自然から得られるものを躊躇なく利用し、消費して生活している私たちが見失いがちなものを、静かに語りかけてくれるようです。

2015年の発表作からは、黒の塗装を用いることで、より鮮烈な視覚効果を生み出しました。中空に吊るされたそれらの形態が鑑賞者の及ぼすわずかな風を受けてゆっくりと回りだす時、それぞれの動きが互いに干渉しあいながら生み出す陰影は、私たちを瞑想の時間へと誘います。

http://homepage3.nifty.com/galleryk

全文提供:Gallery K


会期:2017年7月3日(月) 〜 2017年7月8日(土)
時間:11:30~19:00 土曜日~17:00
休日:日曜日
会場:Gallery K

最終更新 2017年 7月 03日
 

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