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中沢研 展
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2016年 6月 04日

《足》2016 Painted wood, steel

中沢研は1970年東京都生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻を修了。主な展覧会に「MOTアニュアル1999 ひそやかなラディカリズム」(東京都現代美術館)、「横浜トリエンナーレ2001」(パシフィコ横浜)などがあります。針金やテグスなど視覚的ヴォリュームが希薄な素材を用い、展示空間に呼応したインスタレーションを制作する作家として国内外で高い評価を得ています。
本展では「足」と題された新作インスタレーションを発表いたします。長さ1mほどの木の棒と鉄材を組み合わせたほぼ同型のオブジェが47体、ゆるやかな規則性を持って空間に配置されています。淡いグレーにペイントされた廃材のような木の棒を、2組もしくは3組のコの字型の鉄材が高さ30cmの位置で支えており、これがオブジェの基本単位となっています。近年の作品にたびたび登場するコの字型の鉄材は、観る者によって人型(ひとがた)を想起させます。「人型」という意識を持って作品と向き合えば、さまざまなイメージが頭に浮かんでくるでしょう。そして今度は、水平方向に配置された木の棒に視点を移してみると、たちまち違う景色が立ち現れてきます。
一つ一つ綿密につくられたオブジェ、実はそれ自体は意味を持っていません。中沢にとって重要なのは、オブジェがそこに置かれることによって変容する空間であり、そしてまた変化する人の意識なのです。中沢が提示する新たな空間をどうぞご高覧ください。

http://www.andogallery.co.jp

全文提供:アンドーギャラリー


会期:2016年6月7日(火) 〜 2016年8月6日(土)
時間:11:00-19:00
休日:日・月・祝日
会場:アンドーギャラリー(〒135-0023 東京都江東区平野3-3-6 tel.03-5620-2165)

最終更新 2016年 6月 07日
 

編集部ノート    執筆:小金沢智


会場に作り上げられているのは白く塗られた鉄の棒によるインスタレーションである。ほとんど等間隔に配置されている棒はまるでキャンバスに引かれた線のようであり、静謐で、よりいっそうその空間自体を鑑賞者に意識させる。中沢はインスタレーションの作家として知られるが昨年の個展では絵画作品を発表しており、それらはインスタレーションと同じく空間への強い意識に貫かれている。今回の個展で絵画は展示されていないため、未見の場合はギャラリー発行のカタログを参照することをお勧めしたい。


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