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大野智史 展「Beautiful Dreaming.」
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2015年 9月 22日

「Misty Kilimanjaro, Beautiful dreaming.」 2015、oil, spray on canvas mounted on panel、213 x 182 cm ©Satoshi Ohno

大野智史は、原生林をバックにスピーカーや人物像、プリズムや螺旋のイメージを描いてきました。現在、富士山の袂にアトリエを構える大野にとって、原生林は生命が生まれ、終わる場所であり、また鮮烈な色彩のプリズムは、美しさと華やかさを秘めた魅力あるものの象徴で、そこに人たちは引き付けられていきます。2013年、大野はダイムラー・ファウンデーションのグラントで、ベルリンに滞在する機会を得ます。そこで彼は、自身も影響を受けたと語るドイツの表現主義的な作品を浴びるように見ながら、一方で、日本とヨーロッパとの気候風土の違い、そこから生まれる絵画的な美意識の違いについて気づき、考察することになります。その体験の一端が、2014年の原美術館での「『アート・スコープ2012-2014』─旅の後もしくは痕」での出品作に現れてきました。
本展覧会は、それに続くシリーズで、プリズムと亜熱帯の植物をモチーフにした絵画を発表します。大野の制作の背景には、東西の美術史と、絵画的な表現についての分析があります。そして、デジタル時代を象徴するような、フラットな色面構成による表現と、描写的な表現を自由に行き来し、時に1つの画面でそれらを拮抗させ、感覚を多層化させながら、絵画の可能性を探求します。

大野智史は1980年岐阜県生まれ。2004年東京造形大学卒業。現在山梨県富士吉田市を拠点に、制作活動を行っています。小山登美夫ギャラリーでの個展は4度目、2007年にはホノルル現代美術館で個展「Prism Violet」を行いました。主なグループ展に、「越後妻有アートトリエンナーレ2009」(福武ハウス 2009 / 旧名ヶ山小学校、新潟)、「VOCA展2010」(上野の森美術館、東京)、「リアル・ジャパネスク」(国立国際美術館、大阪、12年)「『アート・スコープ2012-2014』─旅の後もしくは痕」(原美術館、東京、14年)、「絵画の在りか」(東京オペラシティ アートギャラリー、14年)などがあります。作品は原美術館、トヨタアートコレクション、国立国際美術館ほか、国内外の個人コレクターにも収蔵されています。

http://www.hikarie8.com/artgallery/2015/08/satoshiohno.shtml

全文提供:小山登美夫ギャラリー Tomio Koyama Gallery


会期:2015年9月30日(水) 〜 2015年10月19日(月)
時間:11:00 - 20:00
休日:展覧会期中無休 Open everyday during exhibitions
会場:8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery

最終更新 2015年 9月 30日
 

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