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特集展示 没後50年 野長瀬晩花
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2014年 8月 29日

野長瀬晩花《三味線を弾く女》1917年頃

野長瀬晩花(のながせ・ばんか/1889-1964/ 本名弘男)は、1889(明治22)年に和歌山県西牟婁郡近野村字近露(現在の田辺市中辺路町近露)に生まれました。大阪へ出て円山派の中川蘆月(なかがわ・ろげつ/1859-1924)に画を学び、のち京都の歴史画の大家谷口香嶠(たにぐち・こうきょう/1864-1915)に師事します。京都の公募展で受賞する一方、秦テルヲ(はだ・てるを/1887-1945)や竹久夢二(たけひさ・ゆめじ/1884-1934)らとも交遊を深め、既存の画壇とは距離を置きつつ、モダンで奇抜な作品を発表しました。

京都市立絵画専門学校(現在の京都市立芸術大学)別科で学んだ晩花は、同校を卒業した土田麦僊(つちだ・ばくせん/ 1887-1936)、村上華岳(むらかみ・かがく/1888-1939)らと1918(大正7)年京都で国画創作協会を創設します。1921(大正10)年には同会の会員とともに渡欧しました。ポスト印象派など西洋美術の影響を受けた晩花たちの日本画は、京都画壇に新風を吹き込みました。

1928(昭和3)年の国画創作協会解散後は、中央の公募展に作品を発表せず、中国旅行でのスケッチに励み、その際のスケッチと随筆を収めた『北満国境線を画く』(1936年)を出版しました。1946(昭和21)年には疎開先の長野県千曲市で地元の画家や歌人と白炎社を結成し、戦後も意欲的に制作を続けました。

今回の展示では、晩花の未公開の絵画資料を併せ約50点を展示し、晩花の多彩な画業を振り返ります。


●フロア・レクチャー(学芸員による展示解説)
10月13日(月・祝)、11月15日(土)  14 時から会場にて


全文提供:和歌山県立近代美術館
会期:2014年9月13日(土)~2014年12月7日(日)
時間:9:30 - 17:00(入場 - 16:30)
休日:月(ただし祝日の月曜日は開館し火曜日が休館)
会場:和歌山県立近代美術館
最終更新 2014年 9月 13日
 

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