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江川純太:全ては奥歯で砕かれる。
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2014年 7月 25日

 

eitoeikoでは7月26日より8月30日まで、江川純太「全ては奥歯で砕かれる。」を開催いたします。2013年は上野の森美術館で開催されたVOCA展に出品、トーキョーワンダーサイト本郷での展示に続き、ロサンゼルスでのグループ展の参加と精力的に活動した江川純太。2014年夏の本展では、昨年より描きためた最新作を展示いたします。

移りゆく日常の光景や感情の反映を、自身の感覚に従って油絵具の動きに封じ込める江川純太の抽象絵画。キャンバスという白い平面に対して、顔料を物質的にとらえ、置く、削ぐ、のばす、繋げるといったアプローチが繰り返されます。反復される曖昧なドットや、空間を埋めるきめ細かいグレーのグラデーションには規則を意識させるところもあれば、その綻びもあり、画面には安定と不安定が屹立しています。即興演奏のように生み出される作品が個人的な感傷であるか、あるいは世相を写す鏡となるか。絵筆を握りながら作家は思考します。

「人と人、またはモノとの関わりはとても複雑だ。ああすればいい、こうすればいいという単純な答えはない。僕がそこにコンプレックスを感じ、また魅力と可能性を感じていることは確かだと思う。自分や世界というものがあるとすれば、その関わりの中で見えてくるものがそれだろうし、それ故に瞬間の選択が重要であり責任がある。

いまこのキャンバスに世界を作るのが自分自身であること。目の前の問題に対して真摯に向き合えなければ、遠い先のことなど何も見えないのではないか。」

人と人の関わりを媒介する表現を自覚したとき、美術の介入は関係をより複雑にし、多層的な位置と距離を生みます。江川の行為は、うっかり見逃してしまった空間に扉を開き、ひとびとを招き入れていくようです。江川は未知のイメージを探りながら、その可能性に日々挑戦しているのです。

尚、本展開催中には、川口市立アートギャラリー・アトリアで開催の展覧会 アーティスト・ラボ「つくられる」の実験(会期7/19~8/31)にも参加いたします。どうぞあわせてご鑑賞ください。

[作家プロフィール]
江川純太

1978 神奈川県鎌倉市生まれ

2003 多摩美術大学美術学部絵画学科日本画専攻卒業

2008 シェル美術賞 入選

2010 個展 火星の記憶 eitoeiko/OVER TONE II 神奈川県民ホールギャラリー

2011 個展 正解も不正解も消えた。それが答えなのか? eitoeiko/トーキョーワンダーウォール 入選 東京都現代美術館

2012 第7回大黒屋現代アート公募展 入選 板室温泉大黒屋サロン/個展 六本木ヒルズクラブ/個展 さっき見た新しい世界を忘れて、また見る瞬間のeitoeiko/トーキョーワンダーウォール トーキョーワンダーウォール賞 東京都現代美術館/第25回ホルベインスカラシップ

2013 トーキョーワンダーウォール都庁 東京都庁/VOCA展2013 現代美術の展望─新しい平面の作家たち 上野の森美術館/フットボール・エクササイズeitoeiko/TWS-Emerging 205 あなたは見ている。僕は何処か遠くのことを考えていた。 トーキョーワンダーサイト本郷/個展 選択が迫る。後ろはみえない。僕は掴んだ手を眺める。 eitoeiko/Licketh The Rainbow JAUS ロサンゼルス

2014 アーティスト・ラボ「つくられる」の実験 川口市立アートギャラリー・アトリア

オープニングレセプション 7月26日(土)18時~21時


全文提供:eitoeiko
会期:2014年7月26日(土)~2014年8月30日(土)
時間:12:00ー19:00
休日:日・月曜、祝日
会場:eitoeiko
最終更新 2014年 7月 26日
 

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