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‘Cazador’ KURAMATA Shiro / TAKAMATSU Jiro Photographed by FUJITSUKA Mitsumasa
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2014年 6月 23日

高松次郎による《サパークラブ・カッサドール》の壁画制作風景 (1967)
(C)The Estate of Jiro Takamatsu, Courtesy of Yumiko Chiba Associates Photo: FUJITSUKA Mitsumasa

1960年代末から70年代の初めにかけて、美術、音楽、建築、写真、デザイン、演劇、など様々な分野の表現者たちが交流し、互いに刺激しあいながら制作活動を展開していく中で、表現の在り方とその根拠となるものについての根源的な問い直しが、外部との対峙によってなされる表現を通じて行われていました。

このような時代背景のもと、1967年、インテリアデザイナーとして出発した倉俣は、新宿二丁目のバー「サパークラブ・カッサドール」の内装を手がけ、店舗内の壁画制作を高松に依頼します。二人のコラボレーションにより作られた店内は、描かれた人の影と実際に訪れる客の影とが交差することで、幻想的でありながらも現実であるという、実在と不在の併存が視覚化されたこれまでにない新しい空間を表出させました。

このコラボレーションにより、高松は影を既存の美術の枠組みから解放することでより純粋なコンセプトの実現に成功し、一方、倉俣もまたインテリアデザインという枠を超えた新たな空間の在り方と概念を提示することとなりました。 倉俣の制作を撮り続けてきた藤塚氏は、このコラボレーションの実現以降倉俣が「空間の哲学的論理」に目覚めたのではないかと述べています。

本展では、埼玉県立近代美術館主任学芸員の平野到氏の協力のもと、藤塚氏が撮影した高松による影作品の壁画制作現場の写真を通して、高松、倉俣それぞれの制作行為における思考の概念を探り、同時にその時代性も浮き彫りにすることを目指します。 倉俣史朗、高松次郎という日本のインテリアデザイン界、現代美術界を牽引してきた両者による合作空間の制作現場という、今まで外部に触れることの少なかった大変貴重な記録写真の展覧会です。この機会に是非ご高覧ください。

また、6月28日には、平野氏による研究冊子「カッサドールの影の行方」も刊行予定です。こちらも合わせてご案内申し上げます。

【トークイベント&オープニングレセプション】
藤塚光政(写真家)×平野到(埼玉県立近代美術館主任学芸員)
日時:2014年6月28日(土)17:00-18:30 *事前予約制
参加費:特別価格¥900 (倉俣史朗/高松次郎 研究冊子付き)
■お申し込み方法
件名「トークイベント」、お名前、電話番号をご明記のうえ、 このメールアドレスは、スパムロボットから保護されています。アドレスを確認するにはJavaScriptを有効にしてください まで、メールでお申し込みください。

定員に達しましたため、受付を終了いたします。(6/20更新)


全文提供:ユミコ チバ アソシエイツ VIEWING ROOM-shinjuku
会期:2014年6月18日(水)~2014年7月19日(土)
時間:12:00ー19:00
休日:日・月曜、祝日
会場:ユミコ チバ アソシエイツ VIEWING ROOM-shinjuku
最終更新 2014年 6月 18日
 

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