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松澤宥:消滅より始めよ
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2014年 5月 07日

 

MISA SHIN GALLERYでは2014月4日24日(木)から6月14日(土) まで、松澤宥の個展「消滅より始めよ」を開催いたします。

松澤宥は1922年長野県下諏訪生まれ、日本における観念美術の創始者であり、コンセプチュアル・アートの世界的な先駆者として知られるアーティストです。

1940年代から詩、絵画、立体作品を制作していた松澤は、64年6月1日深夜、「オブジェを消せ」という啓示を受けます。ものに頼らない美術作品を作るべきかと3日間苦悶し、6月4日、啓示通りものを排除し、文字や行為のみの作品を制作しようと決意します。以降、一貫して物質と人類の消滅や反文明という主張を掲げた言葉による作品を制作することになります。

世界的な傾向として、60年代後半は、絵画や彫刻など視覚的な表現ではなく、文字や思考的方法を取り入れアートの概念を再考するコンセプチュアル・アートが登場した時期でもありました。松澤の仕事は、そのような流れに位置付けられながらもその思想や方法は欧米の定義であるコンセプチュアル・アートとは一線を画し、松澤は自らの作品を「観念美術」と呼びました。文字のみの作品やパフォーマンスによる表現は、カタストロフィー(終末)理論、両界曼荼羅の思想、量子芸術として物理学や数学が開示する世界と通底しつつも、独自の宗教観や宇宙観に基づく展開を示し、極限までにそぎ落とされた表現形態は消滅へと向かうなまめかしさに満ちています。

本展では、松澤の半世紀以上に渡るキャリアの中から、50年代後半のドローイング、コラージュ作品と、64年以降の言語による作品を「松澤宥Ψの函」(1983年)から、「プサイの死体遺体」、「はがきに挿まった絵」、「白鳥の歌」、「九想の室」などを展示いたします。松澤が「オブジェを消せ」という啓示を受けて50年、松澤の美術と観念の問答をその「消滅」から始めたいと思います。

MISA SHIN GALLERYでは初の個展となる、松澤宥の美術と観念の関係を探る「消滅より始めよ」をどうぞご高覧下さい。

オープニングレセプション:2014年4月24日(木)18:00 − 20:00


全文提供:MISA SHIN GALLERY
会期:2014年4月24日(木)~2014年6月14日(土)
時間:12:00ー19:00
休日:日・月曜、祝日
会場:MISA SHIN GALLERY
最終更新 2014年 4月 24日
 

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