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榎本裕一:朝顔
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2014年 4月 08日

円環(朝顔-1) 2012-2014 220×220×8mm 鉄にウレタン塗料(C)榎本裕一

「つゆもあり かへすがへすも思ひ出でて ひとりぞ見つる 朝がほの花」 —これは花をこよなく愛した平安末期の歌人、西行の歌です。朝に咲いて夜には萎んでしまう朝顔の花に露が溜まっている、その景色に人生の無常さをみているのでしょうか。
榎本裕一(えのもとゆういち)もまた花に魅せられ、植物に一時だけ宿る色を表現してきました。引き込まれるかのような奥行き感は、車の塗装などに使われているウレタン塗料を木や金属などの支持体に何層も塗り重ねては磨き、また重ねるという作業を気が遠くなるほど繰り返すことで獲得され、呼吸するかのような揺らぎある植物の色そのものを画面に留めています。朝顔がアトリエの庭に咲き深い藍から葡萄色そして紅に移ろう様に魅せられながら、3年かけてやっと満足できる作品へと結実しました。
本展ではAPSと同じフロアにあるGallery Camelliaと2会場にて同じ朝顔をテーマにした作品を展開します。究極のホワイトキューブのAPSと自然光溢れるGallery Camelliaの対照的な空間で、この朝顔が息づく様をぜひご高覧頂ければと思います。

三ツ木紀英

[作家プロフィール]
榎本裕一  Enomoto, Yuichi

1974年 東京生まれ
1996年 東京造形大学 美術学科美術専攻卒業
1998年 女子美術大学大学院 美術研究科美術専攻 洋画研究領域修了
2002年 東京藝術大学大学院 美術研究科工芸講座 木工芸研究生修了
2005年 石川県挽物轆轤技術研修所 基礎コース修了
2006年 金沢美術工芸大学大学院 特別科目等履修生修了

個展
2011年 台「pedestal / calyx」/switch point
2009年 R2286 White / a piece of space APS & Gallery Camellia
2007年 塗膜の花 flower of paint skin / GALLERY千空間
2006年 風景 / studio J
2005年  flower / 東京国際フォーラムアートショップ内エキジビション・スペース

グループ展
2012年 二人展 /ギャラリー広田美術
2010年 ART IN TIME & STYLE MIDTOWN Vol.9/ TIME & STYLE MIDTOWN
2009年 希望の技法 –The Art of Hope- / switch point
2007年 木の彩り / 桃林堂
盆景-My favorite garden / a piece of space APS
ケレン -主張する色彩- / 東京藝術大学大学美術館陳列館
2004年 4空間 / GALLERY千空間
2003年  装飾木器 / 桃林堂('01.'02)
1999年 女子美術大学の現代作家 / セシオン杉並展示室
1997年 「~。」展 / P-HOUSE
7人展 原教授企画 / JOSHIBI ART PLAZA
NASCENT / NAS
女子美術大学大学院7人展 /ギャラリー青羅
1996年 DYNAMO / SK画廊('95)
1995年 7人展 / ART SPACE KEIHO
1994年 校内展 / 東京造形大学
4人展 / ART SPACE KEIHO
3人展 / 国立芸術小ホール
1993年 2人展 / 東京造形大学
2人展 / 八王子美術アートセンター

コミッションワーク
2009年 昭和薬科大学 第二講義棟
2008年 慶応大学臨床研究棟


全文提供:a piece of space APS
会期:2014年4月7日(月)~2014年4月19日(土)
時間:12:00ー19:00
休日:4月13日
会場:a piece of space APS
最終更新 2014年 4月 07日
 

関連情報


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