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鈴木久雄:Shape-type Distance
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2013年 12月 12日

鈴木久雄 / Hisao Suzuki
"Shape-type Distance (人型距離)"
2013年
鍛造ステンレス鋼
H.204 x W.88 x D.112cm
©Hisao Suzuki

GALLERY MoMo Ryogoku では、2014 年の年頭 1 月 11 日 ( 土 ) から 2 月 8 日 ( 土 ) まで、彫刻家鈴木久雄の新作彫刻個展「Shape-type Distance」を開催致します。  鈴木久雄は 1946 年静岡県生まれ。1970 年武蔵野美術大学卒業後、1971 年ユーゴスラビア国際彫刻シンポジウム(石彫、現スロベニア・ポルトローゼ市) に参加、制作。1972 年には北イタリアのフェリオーロ石切り場にて制作(ミラノ・パガーニ画廊との契約による)等、石彫家として作家活動を始め、現 代日本彫刻展(宇部)やヘンリー・ムア大賞展(美ヶ原高原美術館)など 1970 〜 80 年代の野外展において発表、受賞。その後、鉄やステンレス鋼の鍛造と溶接による彫刻へと展開し、2007 年にはステンレス鋼の鍛造・溶接による彫刻『距離・Irish Sky』により第 35 回中原悌二郎賞を受賞。作品は東京国立近代美術館、大原美術館ほか多くの美術館に収蔵されています。  鈴木久雄の彫刻は、石や鉄やステンレス鋼といった素材の物質性とその加工過程における素材の変質や風化といった自然の条件を取り込みながら、「距 離と空間」、「物の実寸」に焦点をあて、彫刻領域の根源的な可能性を探る視点に立って制作されており、昨年の彫刻の森美術館での個展では、美術館の空間を縦横に切り裂くダイナミックな展示を見せております。  今回の個展では制作の時間を含む「距離」と、「形象」という一見両立し難い要素と「立たない彫刻」という条件をからめての新たな挑戦となる『Shape- type Distance ( 人型距離 ) 1,2』(鍛造ステンレス鋼)の新作2点を中心に、新作彫刻小品6点余と旧作小品数点の展示を予定しております。

[作家コメント]
『Shape-type Distance(人型距離)1,2』は螺旋状になった鍛造ステンレス鋼の四角線条(発条)による「コイル人間」の形象で、この螺旋を直線にすると、 それぞれ 32m ほどになります。この発条は断面が 12mm 角、長さが 15mm から 5mm 程の小さな6面体の箱に穴をあけ、直径 4mm のステンレス棒にク シ刺し溶接された後、隣接する 6 面体が全溶接されて作られております。この小さな 6 面体は 1.2mm 厚の鍛造ステンレス鋼板を溶接することで作られて おり、『Shape-type Distance(人型距離)1,2』それぞれ約 3500 個の 6 面体がつながっています。制作過程の 90%はこの小 6 面体作りに費やされ、とい うよりも、この基本単位蓄積の長い時間の間に彫刻の全体像が構想されていく制作パターンはここ数年と変わりませんが、集積される単位は「形象」の表 現を目的にして格段に小さくなっています。今回の展での新たな挑戦のキーワードは「立たない彫刻」であり、彫刻の宿命とも言える「モノとしての地面 への自立」を捨てた時、作者自身がどのようにこれに対応するか、というところにあります。「立たない彫刻」がどのような世界を作り出すのか、制作し ながら未知の展示空間に期待しております。

2013 年 鈴木久雄

[作家プロフィール]
1946 静岡県清水市に生まれる
1970 武蔵野美術大学造形学部美術学科彫刻専攻卒業
1971 ユーゴスラビア国際彫刻シンポジウムに参加・制作、ポルトローゼに作品設置
1972 イタリア、フェリオーロ石切場にて制作、レニャーノ野外美術館(ミラノ)に作品設置
2003 武蔵野美術大学在外研究員として、アイルランド、オランダ、スロバキアに滞在し、彫刻制作(コーク)・個展発表(ライデン、コーブ、シャモリン)・公開講義(ブラチスラバ)を行う
2007 第35回中原悌二郎賞受賞
現在、武蔵野美術大学造形学部教授(共通彫塑研究室)

[主な個展]    
1987 佐谷画廊/東京
1990 南天子画廊/東京(1997, 2001)
1994 南天子画廊SOKO/東京
2003 島田画廊/東京(2006, 2009, 2011)、
プロジェクトスタジオHaagweg 4 /ライデン、オランダ
2004 シリウスアートセンター/コーブ、アイルランド
シナゴーグ(At Home Gallery) / シャモリン、スロバキア
2006 ヨコハマポートサイドギャラリー/神奈川
2009 中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館/北海道(―彫刻の領域1―)
2010 極小美術館/岐阜県
2012 彫刻の森美術館/神奈川(―彫刻の領域 3―)
2014 GALLERY MoMo Ryogoku/東京

[主なグループ展]
1975 第11回現代日本美術展(東京都美術館/東京) 
第2回彫刻の森美術館大賞展(彫刻の森美術館/神奈川)
第6回現代日本彫刻展(宇部市野外彫刻美術館/山口)
1976 第12回現代日本美術展(東京都美術館/東京)
1977 第7回現代日本彫刻展[宮崎県総合博物館賞受賞](宇部市野外彫刻美術館/山口)
1980 第13回日本国際美術展(東京都美術館/東京)
1981 第15回 現代日本美術展(東京都美術館/東京) 
第9回現代日本彫刻展(宇部市野外彫刻美術館/山口)
1983 第3回ヘンリー・ムア大賞展[佳作賞受賞](美ヶ原高原美術館/長野)
1985 第4回ヘンリー・ムア大賞展[ジャコモ・マンズー特別優秀賞受賞](美ヶ原高原美術館/長野)
1986 第10回神戸須磨離宮公園現代彫刻展(神戸市須磨離宮公園/兵庫)
1987 現代のイコン展(埼玉県立近代美術館/埼玉) 
第12回現代日本彫刻展(宇部市野外彫刻美術館/山口)
1988 第2回ロダン大賞展[優秀賞受賞](美ヶ原高原美術館/長野)
1989 第13回現代日本彫刻展(宇部市野外彫刻美術館/山口)
1993 第15回現代日本彫刻展[兵庫県立近代美術館賞受賞](宇部市野外彫刻美術館/山口)
日本現代彫刻の系譜展(富山県立近代美術館/富山)
1997 洞爺村国際彫刻ビエンナーレ’97(洞爺村総合センター/北海道)
2007 ドローイング−思考する手のちから(武蔵野美術大学美術資料図書館)
2012 鉄と人 鈴木久雄・多和圭三展 ―彫刻の領域 2―
(中原悌二郎 記念旭川市彫刻美術館ステーションギャラリー/北海道)

[ パブリック・コレクション 野外設置作品 ]
レニャーノ野外美術館(ミラノ/イタリア)
フォルマ・ビバ野外美術館(ポルトローゼ/スロベニア)
東京都美術館
宮崎県立美術館
美ヶ原高原美術館
静岡県立美術館
東京国立近代美術館
江戸川区葛西親水公園
和歌山県立近代美術館
大原美術館
東京都現代美術館
富山県立近代美術館
中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館
極小美術館
多摩ニュータウン大塚東公園
神田 美土代ビル・山田ビル・川辺ビル/立川市立さかえ会館(東京)
神戸市布引ハーブ公園(兵庫)
成田はなのき台(千葉)

オープニングレセプション:2014年1月11日(土) :18:00 - 20:00


全文提供:ギャラリーモモ両国
会期:2014年1月11日(土)~2014年2月8日(土)
時間:11:00 - 19:00
休日:日・月曜、祝日
会場:ギャラリーモモ両国
最終更新 2014年 1月 11日
 

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