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榎本耕一:GOOD LIFE
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2013年 12月 11日

 

[作家コメント]
偉そうにしてる奴は、すべからく糞だから苦しんで死ね!って言いたいような気分の時があっても自由に言えるわけないよね。先輩か先生に怒られるからさ。虎視眈々と何か考えてて味方になってくれない奴とか。そういうわけで芸術だ!って言って始めたのに、うまくいかないことはいくらでもある。芸術やるってことで始めたらカフカの『城』みたいに本当に辿り着きたい所にぜんぜん辿り着かないで苦労っていうかストレスばっか多いとかさ。心が風邪ひくとか。行きたい場所忘れるとかさ。資質が無いとか、それがどこにあるかわからないとか。もうやめちゃうとか。アルコールも無し、煙草も無しでも、原始的な、幻視めいた真実見るとか思い切って何か荒唐無稽な嘘を信じてみようとか、本気で考えるようになった。
光あるほうに進むべく、それに同調せる何かを作り出すべし。作為的に。
友達の話…回転させる福引きで商品券3000 円分当ててウワー!びっくり!面白い!面白くねーか。いや、面白い。くじ引きが当たって、それでカッコいいCD 2枚も手に入れて、俺もちゃっかりデータもらった。そのとき、家からネズミが逃げたりしなかったし、雷鳴は無かったし、雲から光線出たり、海が割れたりしなかった。ドラマとか無い。
おーい、与太郎はおらんかいなー?
落語は始めねえぞ。でも世界ってたった一言で変わるのかもしれないよね。そういえば、芸術家って、自分がいる世界をハッピーに変えるとか言いながら、そいつがいる飲み会で説教始まって誰か泣いてるとかなんてこともあるわけじゃん。ハッピーどころか二日酔いになるとか。白鯨のラストみたいに、全員が海のゴミクズになって、そうしてドジャーン!赤い文字で縦に「終劇!」ってなって。本当に静かな海が、自分の中に何が泳いでるかも知らずにただ表面をカモメにつつかれながら、波を遊ばせている。薩摩白波。永谷園。少しだけの音。
善も悪もない。
彫刻を作りました。まったく憎たらしい世界は、俺達の脳天とか見ながらホワイトタイガーを撫でているんだとしても。

榎本耕一


全文提供:スプラウト・キュレーション
会期:2013年12月7日(土)~2013年1月18日(土)
時間:12:00ー19:00
休日:日・月曜、祝日
会場:スプラウト・キュレーション
最終更新 2013年 12月 07日
 

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