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森村 誠〈THC〉
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2017年 8月 11日

森村誠 《THC (the map of MTA)》[部分] 地図、修正液 83.0 x 58.0 cm 2014 年

このたびthe three konohanaでは、2年ぶりとなる森村 誠(Makoto Morimura, b.1976)の個展を開催いたします。本展は、the three konohanaでの新作発表に、プレ企画として大阪・肥後橋のCalo Bookshop & Cafeにて過去に制作された未公開作の発表を加えた、2つの個展で構成するものです。

森村がそれぞれの個展で様々な角度から変容させて提示する「都市」のイメージから、私たちが普段持っている「都市」のイメージとの共通点やその差異に意識を傾ける機会になればと思います。ぜひ両企画ともご高覧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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一昨年の弊廊での個展「Argleton – far from Konohana」では、森村の表現の深化と展開が強く印象付けるものとなりました。印刷物上の特定の文字や情報を修正液で消したり、カッターで切り取るなど、気が遠くなるような膨大な反復行為や、素材の強調が、これまでは彼の作品の特徴と認識されてきましたが、一昨年の個展ではその特徴はそのままに、「都市(Urban)」の概念をどのように制作行為の中で捉え、変容していくかが、彼の作品制作の主軸にあることが明確となりました。

前回の個展では、国内の日本語の印刷物を本格的に作品の素材に採用し、JRの鉄道の路線や道路を残した関西圏の地図の断片を、パッチワークのように不規則につなぎあわせて、架空の「都市」を作っていくことに専心しました。彼の新たな作品群からは、一様な開発が進められていくことによって露呈されていく「都市」の匿名性や、どんな経済状況にあっても開発が繰り返され、常に構築と解体を求められる、「都市」の逃れられない宿命をも引き出してくれます。これまで、ロンドン、パリ、ニューヨークなど世界の主要な大都市に滞在し、制作をおこなってきた経験が、前回の個展での新シリーズ《OTW(On the way)》にも培われ、彼が幼少期から育ってきた環境としての大阪および関西の「都市」にも向き合っていくことになりました。

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[Pre-Exhibition]  Makoto Morimura 
8/29(火)~ 9/9(土) @ Calo Bookshop & Cafe

大阪・肥後橋のCalo Bookshop & Cafe で開催するプレ企画では、アメリカの小説家ウィリアム・バロウズに着想を得て制作した森村の未公開作品と、新作を紹介します。1950 年代以降のビートジェネレーション、ニュー・ウェーブSF の代表的な小説家として知られるバロウズの作品の特徴であるカットアップ手法とドラッグにちなんだ作品を、彼の小説の書籍やニューヨークの地図などを素材に2014 年ごろに集中して制作していました。展覧会タイトルの「THC」は、大麻の主成分である「テトラヒドロカンナビノール」の略語です。

ドラッグのような現代の法律で規制されていった前時代の「都市」のイメージは、いまもその一部として片隅に残り続けています。「都市」のイメージは時の経過と共に全て入れ替わるものではなく、新たなものが既存のものと交じり合って、多様性を保持したまま形成していくものではないでしょうか。

http://calobookshop.com/

全文提供:the three konohana


会期:2017年8月29日(火) 〜 2017年9月9日(土)
時間:12:00~19:00(土曜日は18時まで)
休日:9/3(日)、4(月)
会場:Calo Bookshop & Cafe

最終更新 2017年 8月 29日
 

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