展覧会
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執筆: 記事中参照
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公開日: 2022年 8月 06日 |
【展覧会詳細】 「長文風速計」 出展作家:九里 藍人、石井 佑果、伊藤 夏実、関口 美咲 会期:2022年7月10日(日)~2022年8月14日(日) *8月13日(土)14日(日)は3331 Arts Chiyodaの夏季休館日となる為、正面玄関が閉鎖され東側入り口からのアポイント制入場となります。予めご了承ください。 開場時間:12:00~19:00(金・土は20:00まで) 休場日:火曜 入場料:無料 URL:http://www.akibatamabi21.com/exhibition/220406.htm 【展覧会コンセプト】 「長文風速計」とは本展の展示メンバーである九里藍人がかつて考えた造語であり、以下はそこから派生し伊藤夏実、石井佑果、関口美咲がそれぞれに書いたテキストである。 他人が操作するパソコンやモバイル端末のモニターに映るメモアプリを眺めていると、文字が積み上がっていく様子、テキストが出来上がる過程が、スピードやリズム感を持って視覚的に観察できる。それは、振動や風のように肌感覚を伴う思考の流れの表出であり、物が静かに積み上がっていくような美しさがある。遥かなる時の中で姿形をほぼ変えずにあり続ける山や川は、私自身の身を切って流れていく他人の思考を、風速計のようにただ静かに計測しているかのようだ。恒久的な山のような存在を私も眺め返すことで巨大な人類の集合知の動態を認識できるような気分になる。歴史や自然といった膨大な時間を有するものは、個人という微小な存在が何か大きなものの一部となる想像を促し、個人の死への恐怖や喪失感を吸収してくれるのだ。 風速計とはどんな形をしているのか、検索しようとしてやめた。 実体のない風を計るそのしくみや姿は知らない私からすると想像しがたいが、しかしなんのことはないそっけない代物な気もする。 見れば空はよく晴れていて、外に干した洗濯物がふらふら揺れているだけだ。 絵画と風速。 きっと腑に落ちる話を彼女はしてくれる。 事の真相は楽しみにとっておこう。 風速計は、風速の変化に対する応答性が良好でないと、正しく計測できないらしい。 友人の絵と、記録された言葉と、同じ空間の中で「変化に対する応答性」が良好であれるための空間について思考し、最大限の敬意をもって対話を試みる。 彼女が思考し、記録した言葉の中に「濡れたくつ下」というものがある。 「濡れたくつ下」という、起立した視点からは見えない線に着目する、彼女の姿勢が好きだ。 また、不快で汚い、最も生きているリアリティを感じる要素、彼女の言葉や作品から感じる要素が好きだ。 私は「濡れたくつ下」を、乾かしてみようと思う。 【出品者 略歴】 ●九里 藍人 Airi KUNORI 1994年 東京都生まれ 2019年 多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業 ・主な展覧会 2019年 「draw◯◯」(GALLERY b.TOKYO・東京) 「星に願いを」(gallery fu・神奈川) 「東京五美術大学連合卒業・修了制作展」(国立新美術館・東京) https://kunori.myportfolio.com/ ●石井 佑果 Yuuka ISHII 1995年 香川県生まれ 2019年 多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業 2022年 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻油画研究分野修了 ・主な展覧会 2021年 「あっけらかんの眺め」(KOMAGOME1-14cas・東京) 「birds」(OGU MAG+・東京) 2020年 「斜めのフランチェスカ」(東京藝術大学取手校地・茨城) 2018年 「清須市第9回はるひ絵画トリエンナーレ」(清須市はるひ美術館・愛知) 2017年 「秘すればフラワー」(トーキョーアーツアンドスペース本郷・東京) 受賞歴に第85回香川県美術展覧会記念展新人賞(2021)、第84回香川県美術展覧会三豊市教育委員会賞(2019)、はるひ絵画トリエンナーレ入選(2018)、トーキョーワンダーウォール入選(2016)など。 https://yuukaishii.jimdofree.com/ ●伊藤 夏実 Natsumi ITO 1993年 愛知県生まれ 2022年 女子美術大学大学院博士後期課程美術専攻美術研究領域 3年次在学中 ・主な展覧会 2021年 「いつかのどこかの断片」(世田谷美術館区⺠ギャラリー・東京) 「第56回神奈川県立美術展」(神奈川県⺠ホールギャラリー・神奈川) 2020年 「包蔵」(世田谷美術館区⺠ギャラリー・東京) 2019年 「draw◯◯」(GALLERY b.TOKYO・東京) 「中之条ビエンナーレ」(四万温泉エリア中屋・群馬) 「アートアワード丸の内2019」(丸の内行幸地下ギャラリー・東京) 「YOUNG ARTIST EXHIBITION 2019」(EUKARYOTE・東京) 受賞歴に第56回神奈川県立美術展入選(2021)、第24回福沢一郎賞(2019)、第 54回神奈川県美術展入選(2018)、加藤成久記念賞(2017)、トーキョーワンダーウォール審査員賞(今村有策)、トーキョーワンダーウォール賞(2016)など。 http://instagram.com/natsumi_ito_ ●関口 美咲 Misaki SEKIGUCHI 1996年 東京都生まれ 2019年 多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業 2021年 多摩美術大学大学院美術研究科博士前期(修士)課程絵画専攻油画研究領域修了 ・主な展覧会 2021年 「多摩美術大学修了制作展」(多摩美術大学・東京) 2019年 「多摩美術大学卒業制作展」(多摩美術大学・東京) 受賞歴に多摩美術大学修了制作展辰野登恵子賞(2021)、多摩美術大学卒業制作展優秀作品賞(2019)。 https://misakisekiguchi.tumblr.com/ 【関連イベント】 ● トークイベント 8月7日(日)14:00〜15:00 トークゲスト:中野 仁詞 氏 公益財団法人神奈川芸術文化財団(神奈川県民ホール/KAAT神奈川芸術劇場)学芸員 【展覧会場】 アキバタマビ21 〒101-0021 東京都千代田区外神田6-11-14 3331 Arts Chiyoda 201・202 電話:03-5812-4558 URL:http://www.akibatamabi21.com アクセス: 東京メトロ銀座線末広町駅4番出口より徒歩1分 東京メトロ千代田線湯島駅6番出口より徒歩3分 都営大江戸線上野御徒町駅A1番出口より徒歩6分 JR御徒町駅南口より徒歩7分 JR秋葉原駅電気街口より徒歩8分 ※「アキバタマビ21」は多摩美術大学が運営する、若い芸術家たちのための作品発表の場である。ここは若い芸術家たちが、互いに切磋琢磨しながら協働し共生することを体験する場であり、他者と触れ合うことで自我の殻から脱皮し、既存のシステムや権威に依存することなく自らをプロデュースし自立していくための、鍛錬の場でもある――そうありたいという希望を託して若い芸術家たちにゆだねる、あり得るかもしれない「可能性」の場であり、その可能性を目撃していただく場所である。
http://www.akibatamabi21.com/
全文提供:アキバタマビ21
会期:2022年7月10日(日) 〜 2022年8月14日(日) 時間:12:00~19:00(金・土は20:00まで) 休日:火曜日 会場:アキバタマビ21
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最終更新 2022年 7月 10日 |