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Published: September 09 2011 |
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竹下都(インディペンデント・キュレーター)企画による寺内曜子の個展。
寺内曜子さんから2009年6月に届いたメールは、スコットランドの2会場での同時開催展のお知らせだった。 そして次の様に記されていた。
私の二つの個展はともに『ひとつ』の概念への疑問提起をあつかっています。
私たちが何か(個であり,部分)を「ひとつ」と数えたときから、 世界の分裂が始まるのではないの でしょうか、なぜなら世界は全体 で「ひとつ」だからです。でも,私たちは「全体」を見る事はでき るのでしょうか? 私たちは「ひとつ」を数える事ができるのでしょうか?
この文章は、作品の基本を寺内自身が明解に言及しているものだと、私は思う。
70年代末にロンドンに渡り、学び、作品発表を続けて90年代末に日本に戻った寺内は、近年一貫してこの テーマに取り組んでいる。その作品との対話では「部分を掴むのは大切だが全体を掴む事はもっと大切である。 それは、我々が知り得た部分をどのように継ぎ足しても決して全体にはならない。全体は、我々の知り得る部分 の全てを包含しても、なおそれ以上のものである」と示唆を与えてくる。常に、鑑賞者を取り込む寺内のインス タレーションは、展示空間そのものが作品となる。そこに足を踏み入れた鑑賞者は、作品と出会うだけではない。 そこでは見えないもの、そこでは聞こえないもの、そしてそこでは触れられないものを想像し体験する。 そうして新たな創造と解釈が生まれる。「私の作品は、二元論からの自由が求められています」と問いかける寺内 の作品は、私達に別の視点を投げかけてくる。空間での新たな自分との出会いが楽しみである。 竹下都(ゲストキューレター)
※全文提供: 表参道画廊
会期: 2011年8月29日(月)-2011年9月10日(土) 会場: 表参道画廊
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Last Updated on August 29 2011 |