世界報道写真展2010 |
展覧会 | ||||||
執筆: カロンズネット編集 | ||||||
公開日: 2010年 6月 15日 | ||||||
ピューリッツアー賞を超える、世界最大規模の報道写真コンテスト その受賞作170点から、世界が、地球の未来が見えてくる。50年以上の歴史を誇る、オランダ・アムステルダムの「世界報道写真財団」が、毎年世界中の報道カメラマンを対象に実施する「世界報道写真コンテスト」の受賞作を紹介する「世界報道写真展2010」が、今年も、東京を始め日本国内で開催されます。 アメリカ国内で発表された写真のみが対象となる「ピューリッツアー賞」と比べ、全世界の媒体で発表された報道写真に応募の権利があるこのコンテストは、世界中の報道カメラマンの目標として年々注目が高まり、今回は過去最大の10万点を超える応募が集まりました。 本年のグランプリに選ばれたのは、イタリア人カメラマンのピエトロ・マストゥルツォが09年6月、大統領選の不正への抗議が国中で高まるイランで撮影した1枚でした。日中の抗議デモでは収まらず、日没後に建物の屋上から抗議の叫びをあげる一人の女性をとらえたこの写真は、「何か巨大な物語が始まろうとしていることを表している。視覚的にも感情的にも強く訴えかける1枚」との高い評価を受けました。 このほかアフガニスタンやガザをはじめとする紛争地の惨状をはじめ、スポーツ、ファッション、ポートレート、自然など様々な分野の受賞作がならびます。 2009年1年間に、世界中の報道カメラマンが、時に自らの命をかけて撮影した1枚は、デジタル技術が発達し、瞬時に映像が世界を駆けめぐる現代世界においても、けしてインパクトを失うことはありません。むしろ1枚の写真の中に、民族問題や複雑な歴史などあらゆる要素が解け合い、それ自体が一つの深い物語を生み出すような、クオリティーの高い作品が次々と生まれています。1枚1枚から世界の現状が見えてくる、現代に生きる我々にとって、今年も必見の展覧会です。
※全文提供: 東京都写真美術館(東京会場) |
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最終更新 2010年 6月 12日 |