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Published: August 13 2013 |
高橋はここ数年にわたって、白い壁をバックに人物や人形、植物や剥製等を、あえかに撮影する「月光画」シリーズを制作・発表してきました。中でも人形は重要なモチーフであり、照明やピントの微妙な調節により、人間と人形の間を漂う不確かなものとしてその存在を写真にとらえ、心のゆらぎや意識の襞を投影してきました。 今回は、その人形の写真を元に、顔を細やかに描き、衣装をコラージュし、背景を着彩するという今までとは違った複合的な手法で像をつくりあげています。 民族衣装の少女人形が、生っぽい絵の具の色で顔を描かれ、派手な柄を纏い、黒バックに少しずつ角度を変えて繰り返し強迫的に浮かび上がる様は、不気味でありながら、不思議と朗らかなユーモアも漂います。 手遊びから生み出されたような人形の姿は、これまでの作品に通じるひとり遊びのような閉じられた世界を内包しています。しかし同時に高橋は、小さくとも確かなかたちとしてその存在が外の世界に立ち現われることを手探りし、新たなイメージの輪郭をつかもうとしているようです。
展示内容 ミクストメディア(紙・アクリル絵の具・色鉛筆・雑誌・木製パネル) 297mm×210mm×20mm/約15点
[作家プロフィール] 高橋万里子 TAKAHASHI Mariko
1970年 神奈川県生まれ 1994年 東京造形大学卒業 2002年 「photographers' gallery」運営参加
主な個展 2004年 「ニジノハラワタ」photographers' gallery(東京) 2006年 「手触りの細く小さきほど」photographers' gallery/IKAZUCHI(東京) 2007年 「月光画」photographers' gallery(東京) 2008年 「月光画」photographers' gallery(東京) 2009年 「月光.1 人形」photographers' gallery(東京) 「月光.2 赤い花」photographers' gallery(東京) 「月光.3 剥製」photographers' gallery(東京) 「月光.4 男影」photographers' gallery(東京) 2011年 「Night Birds」photographers' gallery(東京) 「lonely sweet」KULA PHOTO GALLERY(東京)
主なグループ展 2006年 「VOCA展2006」上野の森美術館(東京) 2008年 「現代写真の母型2008 『写真ゲーム』」川崎市民ミュージアム(神奈川) 「MOTアニュアル2008 『解きほぐすとき』」東京都現代美術館(東京) 「人形の・夢・見ゆるひと」高松市歴史資料館(香川) 「Daegu Photo Biennale 2008」EXCO(テグ/韓国)
全文提供:KULA PHOTO GALLERY
会期:2013.9.24~2013.10.20 時間:12:00 − 20:00 会場:KULA PHOTO GALLERY
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Last Updated on September 24 2013 |