Isso:憶えてますか? |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2009年 5月 26日 |
Issoは何ヶ月も時に何年もモデルと同じ時間を過ごし長い年月をかけて作品を制作していきます。喜び、悲しみ、心の機微を感じてはシャッターを切り被写体との距離を埋めていきます。そのドキュメンタリー的とも呼べるプロセスの中でモデルとの距離を縮め、その関係性もフィルムに焼き付けていきます。写真からはプライベート感さえ漂いミステリアスな空気を感じとることができます。 「それは自分の鏡というか分身のような感じかも知れない。モデルを少しずつ理解していく事は、私自身を理解するような、また自分自身を救うような、私にとって欠かす事の出来ない撮影だった。」 モデルと自分を重ねること、そして理解すること。その内面まで深く入り込んだ視点は相手の心の声に耳を傾ける事でもあります。飾り気のない、ありのままの姿が写し出された少女の意味深な表情からは、声にならない心の声が聞こえてくるかのようです。「閉じた感じのモデルを探していた」というIssoの言葉通り、少女からは触れたら崩れてしまうガラスの様な繊細さを感じとる事が出来ます。彼女たちの内面は脆く不可侵なものですが、そこには少女の持つ「現実」が確かにあり、強かな光を放っているのです。 ファッションやビューティフォトの世界で活躍するフォトグラファー、Isso。これらコマーシャルフォトがモデルの外的な美しさを引き出す事だとすれば、本展の展示作品はモデルの内面を引き出す精神性を内包しているのかもしれません。 作家が学生時代に撮りためた気鋭の作品たち。この機会に是非ご高覧下さい。 ※全文提供: YOKOI FINE ART |
最終更新 2009年 6月 26日 |