| EN |

Chim↑Pom:K-I-S-S-I-N-G
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 9月 22日

画像提供:The Container | Copyright© Chim↑Pom

人は辛い現状に行き当たると、他人から愛や同情を求めるものです。ダライ・ラマいわく同情とは:「相手が悩みから解放されるように願う心」です。

3月11日の震災以降多くの婚活サイトがその登録メンバー数の急増を記録し、あるウェディングサービス業者は福島支部の売り上げが50%増加した、と報じる朝日新聞の記事からも分かる通り、震災以降、多くの人が自分の現状に不安を覚え、周りに愛と同情を求めています。

本展示はこのような、今人々が感じている「不安」や「寂しさ」をテーマとしています。

前々からChim↑Pomは、日本社会にアートで直接的に介入することをその手法としてきましたが、震災以降、グループの持ち味である大胆さをより一層増したかのように見えます。彼らによる、JR渋谷駅の岡本太郎の壁画に新たにキャンバスを付け加えるパフォーマンスは多くの人々の注目を集め、物議を醸し出し、そのうえ海外メディアでも大きく取り上げられました。

今回The Containerにて開催される「K-I-S-S-I-N-G」展は、その子供っぽい響きのタイトルとは裏腹に、至ってシリアスなテーマの元に構成されています。男女の顔の描かれた二つの電球が衝突し、割れ、最後は真っ暗になるビデオ作品「Kiss」、十字架にかけられた等身大のキリストにキスするエリイ(Chim↑Pomのメンバーの一人)の写真「King & Queen」、また、床に散乱する割れた電球を通して、震災後の電力不足を言及しつつ、人間の「寂しさ」や「脆さ」さらには「不安」を露にしています。

本展は、「無人島プロダクション」開催の「サヴァイヴァル・ダンス」と平行して開催されます。(「サヴァイヴァル・ダンス」は9月24日―10月15日、オープニングは9月24日の18:00-20:00に予定されております。)

Chim↑Pom
東京で活動する6人組の日本人アーティスト・グループ。2005年に発足して以来、その政治色の強い作品により国内外の注目を集めてきた。今回の東京・渋谷駅における日本の福島原発問題に焦点を当てたゲリラ的アートパフォーマンス(2011年5月)は40,000人を超える観客を集めるとともに、国内メディアに大きく取り上げられた。 2010年3月には彼らの作品集が出版され、同年、アジア・アート賞にノミネートされ、またサンパウロ・ビエンナーレに日本代表として参加した。 彼らの社会介入型アートは支持者も多く、今後の国際的活躍が期待される。 その他の情報はこちらまで: www.chimpom.jp

全文提供: The Container


会期: 2011年9月26日(月)〜2011年12月19日(月)
会場: The Container
オープニング・レセプション: 2011年9月26日(月)19:30~21:30

最終更新 2011年 9月 26日
 

関連情報


| EN |