西村美和:Singing balloon-浮遊する生命が記憶する未来の歌 |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2010年 11月 22日 |
感情を伝える方法、言語が生まれる前に「歌」があった。 ネアンデルタール人のコミュニケーションは、声帯で一連の高音の流れを出しておこなっていたという。 太古の時代のコミュニケーション手段は、大地に、渓谷にと響き渡る声。 電子音を知らない人々のコミュニケーション。 イマドキの感情伝達では ♡ :)!などの絵文字や記号が、感情の抑揚を伝える。 時代とともに、変わるコミュニケーション。 何万年もの長い長い時の流れに消えないものがある。地球上の何処を探しても、歌の無い土地は無い。言葉の通じない土地で知らない人と共に歌う。心のどこかで繋がれたような気分になる。言語は違っていても、、、 心を伝える自然な行為、歌。 誰もが一度は夢を見た、飛ぶという身体的運動を伴って、歌が過去と未来を合体させる。 表情を持つ気球が浮遊しながら、歌う。 新しいものを探そうとすると何か根源的なものにぶつかる。 それを未だ名前のない宙に飛ばす、私はそこに現れる新しい何かが視たい。 登場する人と歌 / ハヴァネス:アルメニアの愛国歌、ドン–イル:韓国の愛の歌、シャーリー:コートジボワールの童謡、かおる:日本の唱歌、アメリカミュージカルソング、カリーナ:ロシアのヨセニンの詩歌、マーク:フランスの童謡替え歌、えい子:日本の演歌、マリアジョゼ:スペインのロルカの詩歌、エマ:フランスの童謡、等。 人間の存在について考える上で外す事ができない要素、感情。 その感情というものを明らかにする為に、西村美和は様々な実験的作品を作り出してきました。 東京フォト2010での個展開催や、キヤノン写真新世紀2010での受賞など、これまで写真を使ってその世界を展開させて来た西村。 今回はソニーCSLとのコラボレーションにより、「歌う気球」を使ったインスタレーションという新たな表現に挑戦しています。 プロジェクターとスピーカーを搭載した小型気球は、最新の実験的なテクノロジーによって、長時間自立的に飛行する事ができます。 この気球が西村の制作した映像を飛行しながら上映します。 西村が今回制作した映像には、多様なバックグラウンドを持った人々が思い思いに歌う姿が収められています。 歌という表現方法、登場する人たちの生き様、それに対する西村の想い、それらを載せて気球はギャラリー内を浮遊するのです。 西村 美和 / Nishimura Miwa グループ展 ライブプレゼンテーション 受賞 パブリックコレクション 略歴 ※全文提供: YOKOI FINE ART 会期: 2011月1月11日(火) -2011月1月29日(土) |
最終更新 2011年 1月 11日 |