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島州一
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 5月 06日

画像提供:SOH GALLERY K3|Copyright © Kuniichi SHIMA

島州一は1950年代に多摩美術大学に在学中だった頃より、作家としての活動を始めております。前衛的な版の仕事で高い評価を受けましたが、版と言う仕事の可能性を追求し続けた作家とも言えましょう。島は、10数年前からは長野県に居を移し、制作活動を続けております。

1987年に双ギャラリーで行われた「アナログとデジタルの変換」展で、島は机を解体してパーツをトレースすることを始めましたが、その後も様々な形でトレースする行為を発展させています。「アナログとデジタルの変換」展では、単にトレースする行為にとどまらず、複合的な行為を含む作品を制作し、自らの行為を「モドキレーション」と名付けた経緯があります。

ここ数年は絵画と言う手法を用いて、初期からのトレースより更に大きく変化してきました。そのシリーズの一つに「Tracing – Shirt」があります。このシリーズは、日常島が着用しているシャツをトレースし、平面である絵画に置き換えるという行為です。これは単なるシャツのトレースではあっても、彼の自宅から見える浅間山の風景を絵画に重ねています。単なる具象絵画とも見えますが、彼の視点を通して見える新たな浅間山のかたち、それは彼の心象風景をもトレースしている行為と言えるかもしれません。

今回の展覧会では、その「Tracing – Shirt」のシリーズを更に発展させています。従来の作品ではシャツに正対する作品が主流でしたが、最近ではシャツをオープンワイドにする事により、更に広がりのある作品が展開されています。またシャツの内側が見えるような展開になってきた事で、内部に潜むものさえも表出させるような作品になってきたように思われます。

島州一ウェブサイト: http://gallery.me.com/shimakuniichi

※全文提供:  SOH GALLERY K3


会期: 2010年5月8日-2010年5月30日

最終更新 2010年 5月 08日
 

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