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三瀬夏之介:笑月
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 11月 10日

画像提供:三瀬夏之介 © Natsunosuke MISE

「笑月」と題し、三瀬が取り組んでいる和紙に墨と胡粉を主体とした、静かに、しかし激しく湧き上がる静と動のイメージの作品を中心に展観する。

最終更新 2009年 11月 04日
 

編集部ノート    執筆:小金沢智


Cスクエアでの個展「問月台」も記憶に新しい三瀬夏之介の個展。今年の春から山形の東北芸術工科大学准教授を務め住まいを奈良から山形に移したもあってか、京都でのまとまった発表は去年のイムラアートギャラリーでの個展以来となる。 さて、会場には水墨と胡粉による近年の作品が中心に展示され、まず表題の《笑月》(182×252cm[三枚])が来客を迎え出る。遠近の綯い交ぜになった画面構成が破壊と混沌を生み出しながら、湿潤な墨の濃淡と胡粉の煌めきが作品に柔らかさを与えており、それこそ近年の三瀬流水墨画の特徴と言えそうである。他は同名の《笑月》をのぞき大作はなく額装された小品が多くを占めるが、額装でも先の「問月台」で発表したような立体的な造形作品も含まれ興味深い。一週間と短い会期だが、近年の動向を伺うことのできる貴重な機会である。


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