大田黒衣美:不知火の水まくら |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2013年 7月 22日 |
この度KAYOKOYUKIは、大田黒衣美の初となる個展『不知火の水まくら』 を、青山|目黒にて開催いたします。 大田黒衣美は、生活をする上で身近な大量生産品から、独自の物語を 紡ぎ出します。チューイングガム、ビニールシート、テーブルクロス、 トタン板など、かつての誰かが道具としてあみ出した日用品から、その 多様性や特性を抽出し、ドローイングなどを加えることによって作品へ と変換させます。 また、コラージュ作品の素材として使われるウズラの卵の殻には、産卵 直前に親鳥の体内の色素を使って印刷された模様が付いており、これが 保護色となって外敵から身を守る機能を果たしています。同じ鶉からは 同じ模様の卵しか生まれない、人間でいうところの指紋のような特異性 があると言われ、大田黒はこれを、“個々のウズラが外界を描いた風景画” と捉えた上で一度バラバラにし、新たな存在を描く道具として扱っています。 「時間を経ても本質的な価値が変わらない、ある種 無機質な物達の存在 には、ウズラの卵の模様にも感じるような逞しい包容力がある。」と 大田黒は話しており、個人が内包している未形で茫洋な存在と外界とが 通じる為の想像の受け皿として、素材は選択されています。 初個展となる本展は、新作のトタン板の作品をはじめ、2008年から スタートしたチューイングガムのシリーズ、ウズラの卵のコラージュ 作品の、3つの異なるアプローチによる作品群を一同にご体験頂ける 貴重な機会となります。それぞれの作品で展開される物語には、私たち の根底と緩やかに繋がる可能性が用意されています。 ぜひとも足をお運びください。 [作家プロフィール] 全文提供:青山|目黒 会期:2013年7月13日(土)~2013年8月10日(土) |
最終更新 2013年 7月 13日 |