大杉弘子: 書界「さい」 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2012年 8月 10日 |
文字が生まれた時の記憶を呼び起こす。大杉弘子さんの作品は初源的な問いをいつも私たちに突きつける。しかしながら、その作風は、よどみなくおおらかで、どこまでも拡がりあり清々しい。 中国の古墨を用いて描かれた青い画面からは、根底に文字のDNAを密(ひそ)みながら、それが文字であることはどうでもよくなって、ジャクソン・ポロックの絵を見たときのようなすべてを削ぎ落とされたような感覚で、直截的に心に響いてくる。 詩人の和合亮一氏は震災後、大杉さんの作品に感応して六編の詩を書いている。 私 も 国際的な視野を持ちながら、書とコンテンポラリーの境界を果敢に歩みつづける大杉さんの新しいテーマは、崇敬する文字学者白川静博士が発見した「さい」を根底としたものだ。「さい」は祝りを収める器の形。神への捧げものだ。 オープニングレセプション 8月2日(木) 18:00~20:00 全文提供:アートフロントギャラリー 会期:2012年8月2日(木)~2012年8月21日(火) |
最終更新 2012年 8月 02日 |