河村哲生 : 滑り出る黒 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2012年 4月 06日 |
このたび、Frantic Gallery では、河村啓生の初個展を開催することとなりました。 河村は、形象を持たない「夜のイメージ」を、生々しい闇を呼吸する絵をグルーと合成漆を使って制作します。 作品「滑り出る黒」は、二つの相対する動きを生み出します。優勢な黒は、絵のベースから滑り出し、フレームを超える「夜」として、また「死」として観客の側へと流れ出ます。一方、観客は作品の闇に包み引き込まれ、底無しの「無」へと滑り落ちてしまうのです。この関係の仲介役は、蝶が担っています。蝶は、生と死、日と夜、意識と狂気の間に滑ることができる象徴的な存在として、黒い漆の表面上に浮かんでは、またモルビドグロースに溶けて消えていきます。 河村のオブジェは、絵画と彫刻の間の立場をとって、生と死のサークルを繰り返すようにお互いを入れ替える「形」と「無形」の動きを表します。これはすべての形象から逃げようとする羽ばたきのイメージで、すべてのファンタジーを投影できる「闇のスクリーン」になる。是非、当ギャラリーにて、河村のネクロ‐ポーリスと「滑り出る黒」の織りなす不思議をご体験ください. [作家プロフィール] |
最終更新 2012年 4月 20日 |