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qp:残す
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 4月 18日

Copyright © qp
画像提供:GALLERY&WORKSHOP はちどり

qpは兵庫県出身、現在は東京を拠点に活動しています。

これまでにqpはアクリル絵具や油絵具などを使った作品や、お絵描き掲示板を使ってデジタル作品などを発表しています。本展では主にカラーインクを使用した新作を展示します。どうぞこの機会にご高覧ください。

作家コメント
「本来なら失敗(エラー)として切り捨ててしまうような、制作中についてしまったインクや、筆跡をつかって絵を作っています。自分は、絵の具を使って絵を描くときは、水をたくさん混ぜた、いわば「色の付いた水」と呼べるものをさまざまに使いながら描いています。今回の個展は、結局はいままでと同じように人物がたくさん描かれるかと思いますが、ただいままでと違うような表面のおもしろさや、ふう変わりな色彩の様子なども観察できるかと思います。見ていただけたら嬉です。」

qp
画家/イラストレーター

個展
2007年 「それを見ている」ガーディアン・ガーデン(銀座)
2008年 「灯台へ」新宿眼科画廊(新宿)
2010年 「頭部について」東中野徒歩一(東中野)

イラストレーションの仕事として、谷川俊太郎「二十億光年の孤独」「62のソネット+36」(ともに集英社文庫)、季刊「真夜中」11号(リトルモア)表紙など。

※全文提供: GALLERY&WORKSHOP はちどり


会期: 2011年4月2日(土)-2011年4月30日(土)
営業: 土日祝(土)12時から20時、(日祝)12時から18時
会場: GALLERY&WORKSHOP はちどり

最終更新 2011年 4月 02日
 

編集部ノート    執筆:石井 香絵


Copyright © qp|画像提供:GALLERY&WORKSHOP はちどり

展示されている作品は主に水彩画で、人物の背景や前景にはグロテスク文様を思わせるS字風の曲線が多数配置されている。曲線によって全体にリズムが与えられているようである。楽譜のようでもある。描かれた人物は明るいオレンジ色の肌をしており、寒色系の背景に良く映えていた。人物は衣服を纏っていないものが多く、抽象化された身体に目だけが描かれているため影絵のようにも見える。

さほど広くない会場の割に観客数は多く、皆なかなか立ち去ろうとしないのが気になった。短時間では捉えがたい何かをそれぞれが感じていたのかもしれない。実際にしばらく眺めていると、明るい色も沢山あるはずなのに全体的に静かな印象であることや、曲線や格子や木の枝と枝との隙間を埋める滲みのある背景の面白さなど、様々な発見がある。個展のタイトルは「残す」だが、どの作品もタイトルに似ず、一時的ではかない雰囲気を湛えている。これは画材のみのせいではないだろう。

本展の会期中にはまた、qpの企画による展示「べつの星」がユトレヒトで、またqpと二艘木洋行によるユニット・城戸熊太郎の展示「こなごな」がソーンツリーギャラリーで開催される。※注 「べつの星」は女性作家10人によるグループ展、「こなごな」はウェブ上の描画ツール「お絵かき掲示板」を用いた展示。併せて観ることで、この作家の観ること、描くことへの探究心をより多角的に知れる機会となりそうだ。

※(注) 「べつの星」 2011年4月12日(火)-24日(日)  http://www.nowidea.info/?p=2601
「こなごな」 2011年4月19日(火) -30日(土)  http://thorntree.jp/next/index.html

会期: 4月2日(土)3日(日)9日(土)10日(日)16日(土)17日(日)23日(土)24日(日)29日(金)30日(土)


関連情報


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