SICF12 グランプリアーティスト展 福士朋子:出口/入口」 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2011年 9月 29日 |
ロッカーなどオフィス用品が並ぶ無機質な空間、 SICF12のグランプリ受賞者、福士朋子の展覧会。 ありふれた素材と漫画の手法・構造を用い、 とるに足りない個の声を顕在化させる福士の試みは、私たち現代を生きる個人がどれほど声を上げてもなかなか思う通りに進まない時代の閉塞感やもどかしさを感じさせます。同時にTwitter の出現によって、パーソナルな声の集積が社会の大きなうねりを産み出しうる今日において、個人の「小さな声」が国をも転覆させかねない力を持ち始めた今という時代の流れとも共振します。 ショウケースをオフィス空間に見立て、インスタレーションを展開 ショウケースでは「出口/入口」をテーマに展示を行う。スパイラルの玄関でもあるショウケースは、この空間自体にドアが複数あり、出入りの流れが複雑な場である。普段は意識しない「出る/入る」という動作や、出口が入口でもあることなど、その他特にその関係に疑問を持たないようなシンプルな反対語、対照語を元に制作した作品を展示する。フェンスの内/外で分けられた空間、機内の非常口、日本の伝統空間の内/外の境界についてなど、これまでの作品のテーマをさらに発展させて、マンガの「コマ割り」や、「内語」という声には出さずに考えている言葉などを用いて、すぐに忘れてしまうような一瞬の経験や意識、声にならない声を留めていきたいと思っています。 福士朋子(ふくし ともこ) [主な個展] [主なグループ展] ※全文提供: スパイラル 会期: 2011年10月28日(金)~2011年10月30日(日) |
最終更新 2011年 10月 28日 |