ミリアム・アイケンス/杉田陽平 展: |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2009年 6月 17日 |
昨年に続きベルギー出身の女性彫刻家、ミリアム・アイケンスと、同じく昨年、若手日本人作家として紹介した杉田陽平の平面絵画の二人展の展覧会を開催いたします。 ミリアム・アイケンスはベルギーのゲントの美術アカデミーで彫刻を学んだあと、1970 年代から長くヨーロッパを中心に活躍し、一貫してフランドルで制作を続けています。彼女の作品の特徴である、しなやかな曲線、優しさに満ちた表情、やわらかにテラコッタを包む色彩は、その場の雰囲気を和ませ、心地よさを与えてくれます。女性の優美さ、日常の暮らしから受ける小さな「喜び」にこだわり続けている彼女とテラコッタという素材の相性には必然性さえ感じさせます。本展は彼女の日本での3 度目となる展示になり、テラコッタの頭像を含めた立体作品8 点を紹介いたします。 一方、杉田陽平は昨年武蔵野美術大学を卒業後、三菱アートゲートプログラムでの作品購入やトーキョーワンダーシード入賞、弊ギャラリーでのグループ展や都内画廊個展と多忙を極めた活動で近年注目を浴びています。技法は「絵の具の皮」と称するあらかじめアクリル絵の具で作られた皮膚をキャンバスの上で貼り合わせていくという独自のスタイル。今回は「生き物の死」について考えた平面作品約6 点をご紹介します。外骨格のカブトムシは死んだ後カブトだけを残して中身は溶けてなくなってしまうのだという事実を知った幼い頃。一体何を守り、” 出会ったヒトの中の記憶にのこる自分の外見” とはどのようなものであるべきなのかを問います。 対照的なテーマようにみえるベテラン作家からの「生きる喜び」と若手作家が見据える「亡くす時」。背中あわせに存在するこの両極の狭間に思いを馳せていただきたいと願っております。 ※全文提供: ギャラリーストレンガー |
最終更新 2009年 7月 18日 |