展覧会
|
執筆: 記事中参照
|
公開日: 2012年 9月 10日 |
小村希史は2011年に行ったメグミオギタギャラリーの発表では、張りつめた背景の上に激しい筆のストロークによる多層な色彩と質感ので描かれた人物、静物、風景の作品で衝撃を与えました。2012年にはVOCAへも出展した小村の約一年半ぶりとなる新作個展を開催いたします。
2011年3月11日の震災後の小村の絵画がどのように変化し、そして絵画はこれからどのように機能して行くことができるのかという事、小村の心境の生まれ変わりを交えて構成されます。
『僕が絵を描く時に続けてきたテーマには『もろさ』という主題が根底にあります。作品の事だけではなく、小さい頃から『弱さ』(frailty)だとか『不完全性』、『断片性』(fragment)という事に 惹かれ続けてきました。顔の無い人形、色あせた写真、消えてしまいそうな音、今では何に使うか判らなくなってしまった部品らしき物、等々』
「無常」を出発点とする文化を継承する日本人は、特に「脆さ」と深く関わりを持ち、小村の感性もそういった民族性に起因しているのかもしれません。
今展では、多様なイメージをモチーフに、震災直後の影響による白一色による絵画や、物と背景の境界が浸食し合う表現など、様々な方法で一貫して「脆さ」を追求した作品を発表いたします。
日本の風土で培われた美意識に通じる一連の作品は、近代絵画を彷彿とさせる質感を持ち合わせています。小村希史の描く現代日本洋画をどうぞご堪能下さい。
全文提供:メグミオギタギャラリー
会期:2012年9月4日(火)~2012年9月29日(土) 時間:11:00 - 19:00 休日:日・月・祝 会場:メグミオギタギャラリー
|
最終更新 2012年 9月 04日 |