八木貴史:Strangler fig |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2011年 7月 23日 |
1982年生まれの八木貴史は2011年に武蔵野美術大学大学院彫刻コースを卒業し、色鉛筆を樹脂で固めて「原木」に見立てた素材による彫刻作品を主に制作を続けています。 『色鉛筆は私にとって木と等価であり、削ると色が出てくる木です。色芯は木目とたいして変わりありません。色芯と、それを持つための木部というシンプルな構造が、集積され過剰になる事で、その機能や構造自体が装飾になり、視覚的に色鮮やかで、幻惑的なものになる。』 単体の色鉛筆が夥しく集められる事によって、本来の性質を超えた力が蓄積され、全く別のものへと生まれ変わります。そこには色鉛筆というプロダクトを使って工業的なマスの特性を取り入れ、そこから生まれる多彩なエネルギーを一つの美へ収束させていくという一連の創造性があります。八木は日常にありふれたものである色鉛筆を彫刻の素材とし、色とりどりの芯を掘り起こして異次元の創造物を作り上げます。 今展のタイトルである”Strangler fig“は日本語で「絞め殺しの木」を意味します。他の木に絡み付いては、朽ちさせ、中が空洞の状態で生息するというイチジクの木のように、『そのもの自体は消失して目には見えないが、その周りのものが、そのものをかたちづくる』というコンセプトをもとに、家具や身の回りのものを使って制作された新シリーズを発表します。 「存在するもの」「存在しないもの」と、「見えるもの」「見えないもの」を追求した今回の展示は、私達を身近なものから異界へと誘います。八木貴史の「Strangler fig」をどうぞご期待下さい。 全文提供: メグミオギタギャラリー 会期: 2011年9月13日(火)-2011年10月8日(土) |
最終更新 2011年 9月 13日 |