80年代前半の作家活動開始以降現在に至まで、作家としての自己、そして世界の有り様を深く見つめ、日常と表裏一体にある深遠な世界を様々な形態で表現してきた今村源。その独自の作風で早くから注目を集め、美術関係者はもとより、多くの作家から支持を得ています。
今回の個展では、「通路あるいは音として」をテーマに、天井の高いギャラリー空間全体を使っての大規模なインスタレーションを予定しています。鑑賞者が介在することで成立する今展、“観る”だけでなく、心と身体で空間全体から発せられる“音”をご体感いただきます。
また今展では、同テーマに合わせて、グラフィックデザイナーの杉崎真助氏、コンテンポラリーダンサーの角正之氏、即興音楽ユニットのドットエスなど、様々なジャンルの表現を通したコラボレーションが予定されています。1つのテーマを元に、個々の表現がどのようなリンクをみせるか、こちらも作品と合わせてぜひお楽しみください。
Void キノコが地上に生えてくるのをみると様々な形質と色とりどりの色彩をまとい、普段ほとんど視覚には入らない状態から一気に私はここにいますとばかり自身の存在を露わにして地上にあらわれ出る。だがその実は次世代の放出であり、自身を食ってくれとばかりのサインを発し、捕食者の体内に捕獲されて、次のサイクルに向けてのサクリファイスとなって行くものも多い。
大いなるものに空いた穴のように引き裂かれながら現れ出た私もまたこのようであるのかもしれない。その空洞を埋めるかのようにもと来た場所にあこがれ、その残響を聞く。
今回は舞台装置のようなものを考えていた。 鑑賞者が入って成り立つ場であり、ダンサーやミュージシャンの行為を得て何かが始まる動的空間としても成立してくれればと願う。 -今村 源
今村 源 1957 大阪生まれ 1983 京都市立芸術大学大学院美術研究科修了 2007第35回中原悌二郎賞 優秀賞
個展(抜粋) 1991 「CURATOR’S EYE’91 VOL.4」 ギャラリーNWハウス, 東京 1993 「Itoki Art Program vol.4, 聖なる遊戯」 イトーキ銀座ニューオフィスギャラリー, 東京 1998 「非局所性の海へ」 ギャラリー16, 京都 2000 「運動場-行き来する為に」 大阪府立現代美術センター 2003 「外の場所」ノマル・プロジェクトスペース, キューブ&ロフト, 大阪 2005 「うたかたさんぽ-今村源とこどもたち」 京都芸術センター 2005 「life/art ‘05」 資生堂ギャラリー, 東京 2006 「三つの個展:伊藤存×今村源×須田悦弘」 国立国際美術館, 大阪 2006 「連菌術」 伊丹市美術館, 兵庫 2009 「わたしにキク」 ギャラリーノマル, 大阪 2009 「水都大阪2009-水都アート回廊:茸的熟考」 適塾, 大阪
グループ展(抜粋) 1986 「アートナウ’86」 兵庫県立近代美術館, 兵庫 1989 「近作展-7 今村源・松井智恵」 国立国際美術館, 大阪 1992 「彫刻の遠心力-この十年の展望」 国立国際美術館, 大阪 1994 「21世紀・的・空間-現代美術と民族的空間の出会い」 セゾン美術館, 東京 1994 「光と影-うつろいの詩学」 広島市現代美術館 1995 「やわからく重く, 現代日本美術の場と空間」 埼玉県立近代美術館 1997 「森ニイマス」 宇都宮美術館, 栃木 1998 「アートは楽しい9-手のわざ時のわざ」 ハラ ミュージアム アーク, 渋川, 群馬 1999 「第7回富山国際現代美術展 ポーランド&日本」 富山県立近代美術館 2001 「life/art ‘01」 資生堂ギャラリー, 東京 ※以降’05年まで各年参加 2004 「六本木クロッシング, 日本美術の新しい展望2004」 森美術館, 東京 2005 「きのうよりワクワクしてきた」 国立民俗学博物館, 大阪 2008 「心ある機械たち」 BankART 1929, 神奈川
■オープニングパーティー 2011年7月16日(土)17:00~19:00 ■ダンス&ライブパフォーマンス(角 正之+.es) 2011年7月16日(土)19:15~20:00 ■トークイベント(今村 源+林 聡+.es) 2011年8月20日(土)17:00~18:00 ■ライブパフォーマンス(.es) 2011年8月20日(土)18:00~19:00
全文提供: ギャラリーノマル
会期: 2011年7月16日(土)-2011年8月20日(土) 会場: ギャラリーノマル
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