池田幸穂:振りむけば、緑 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2011年 6月 22日 |
《garden14 立ち話》2010年 | Oil, acrylic on cotton cloth and canvas | 112.0 x 145.5cm | 画像提供:ギャラリーモモ | Copyright© Sachiho Ikeda 池田幸穂のおよそ2年ぶり2回目の個展。 池田幸穂は1986年東京都生まれ、幼少期にサンクトペテルブルクに在住し、2009年武蔵野美術大学を卒業後、シェル美術賞展や東京ワンダーウォールなどに入選、日本庭園をモチーフに独特な世界を展開しています。 日本庭園の多くは武家屋敷跡や寺社という閉鎖された空間にあり、今では外の喧騒から隔絶された異空間という趣があります。都会ではサラリーマンなどの逃避場所となり、鳥たちにとっては羽を休める格好の場所となっています。 寺社にあっては庭とその建造物が観光地化していますが、本来は浄土世界を表すなど宗教的な意味合いで造られたもの、人を救済する装置として機能しているのかもしれません。 池田作品の多くが独特な空間処理で庭を俯瞰するように描かれ、緑を基調とした色彩感が優しく見る者を和ませ、人や鳥たちをあたたかく受容する気配に満ちて、庭の持つ精神的な要素をさりげなく現出させています。 3.11 以降多くの人が依然として深い苦悩の中にあり、池田作品がそうした人々の心を優しくやわらかく包むものになって欲しいと願っています。今展では油彩とアクリルの混合技法による作品約10 点前後を展示する予定です。この機会にぜひご高覧いただければさいわいです。 人が人と 距離 を保つように 池田幸穂 [ 個展] [ グループ展] 全文提供: ギャラリーモモ 会期: 2011年7月16日(土)-2011年8月6日(土) |
最終更新 2011年 7月 16日 |