展覧会
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執筆: 記事中参照
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公開日: 2011年 6月 21日 |
大久保ありの新作展。
大久保あり 1998 武蔵野美術大学造形学部油絵科卒業 2000 ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ大学院サーティフィケイトコース修了 2000-2001 ロンドン芸術大学チェルシーカレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン・ファインアート修士課程
個展 2008 "思い出せない" gallery nimodo、東京 2003 "大久保あり展" G-fal、武蔵野美術大学、東京
グループ展 2009 "壁ぎわ:Itazu Litho-Grafik" 現代ハイツ Gallery 伝、東京 2008 "もっとテキーラくれくれ! ビーチでもう一杯" gallery ni modo、東京 "5 X 5: Itazu Litho-Grafik" 万国橋ギャラリー、横浜 2005 "ART and LIFE in MIKUNI2005" 国民文化祭、福井県三国町 2004 "108展" イセ文化基金ギャラリー、ニューヨーク 2003 "ラントシャフト" レントゲンヴェルケ、東京 2002 "アートスカラシップ2001受賞者展" laiv、東京 2001 "tic-tock" House、チェルシーカレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン、ロンドン
賞歴 2001 アートスカラシップ2001「天野太郎賞」受賞
会期: 2011年6月28日(火)-2011年7月23日(土) 会場: LOOP HOLE
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最終更新 2011年 6月 28日 |
編集部ノート 執筆:田中 みずき
山登りの経験が、お有りだろうか。山で観たものは、美しいものだけだったろうか。今回の大久保の展示では、少し怖い、誰かの思い出の中の山登りを体験することが出来る。展示会場に並ぶのは、山登りのウエアを着たマネキンや山の写真、絵画、木の枝など。絵画に描かれた文字を読み、写真を観ながら進むうちに、あたかも大久保の作り出す山登りの物語へと迷いこんだような気持ちになる。青い空と急な斜面の山。そして最後に、会場で売られている作家自作の小説「山の夢」(2005年に「I dreamt.」として書かれたものの改訂版、100部限定、300円)を読むと、山登りにまつわる忌まわしい思い出の世界が現れ、今まで観てきた展示物がガラリと変わって観えてくる。
展示空間も物語も、作者によって作られた世界でありながら、疑似体験だからこそ感じられる妙な現実感にぞくりとくる展示である。