展覧会
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執筆: 記事中参照
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公開日: 2010年 6月 09日 |
狂気と滑稽が入り交じる世界を B級感たっぷりと描き出す 我喜屋位瑳務は、子供の頃に見ていたホラー映画やアクション映画にインスピレーションを得て、「狂気と滑稽」をテーマに絵を描いています。狂気の中にもフッと笑ってしまう滑稽さが潜む絵は、どこか意味深で想像力をかきたてられます。何も考えずにまず手を動かし、思いついたままに絵を仕上げていくという作品は、カラーインクやアクリル絵の具などで描くドローイングに始まり、雑誌の切り抜きや使用済みの封筒、伝票などを使ったコラージュに及びます。描かれたキャラクターやポップな色づかいはどことなくアメリカン・コミックスをイメージさせますが、沖縄で生まれ育ち、アメリカ文化に触れてきたことも影響しているのかもしれません。個展では、自分のことをひねくれているという彼らしく、上手い絵やかっこいい絵は意識せず、B級感満載で描いた膨大な作品の数々が会場を埋め尽くします。
頭の中のものを言語に変換するのが苦手です。 だから人に見てもらうために描いています。 しかしまた、描いた絵もコラージュも出来上がってみると何をどうしたかったのか自分でもよくわかりません。 でも、描いている間は楽しいし気持ちいいのです。 チチ松村の本で、人間は体からものを出すことは気持ちいいものです、と書いています。 僕は自分の中にある悪いものを出しています。 たとえば、起きたのが午後だったとき、なんだか罪悪感を感じます。 そのくらいのどうでもいいレベルの悪です。 たまにすごく良く描けたとき、疲労か興奮か体が震え夜も眠れなくなることがあります。 そんなときはシャワーを浴びて出し切れなかった心の闇を洗い流すのです。 我喜屋位瑳務
我喜屋位瑳務 Isamu GAKIYA 沖縄県生まれ。東京都在住。 http://gakiyaisamu.com/
全文提供: ガーディアン・ガーデン
会期: 2010年6月7日-2010年6月24日
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最終更新 2010年 6月 07日 |