榎本裕一:R2286 White |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2009年 9月 10日 |
08,09年には、大学や研究施設のためのコミッションワークを手がけるなど、近年の活躍にめざましいものがあります。今回は、奥野ビルのAPSと同じフロアーにあるGallery Camelliaと、2会場で展示いたします。 榎本裕一(えのもとゆういち)は、薄い木製の挽き物に車の塗装などに使われているウレタン塗料を塗り重ね、植物の色彩がもつ普遍的な美しさを、円形の漆器のような3次元の形体に描き出す作品を制作してきました。実際の花を手元に置き間近に観察しながら、エアスプレーで何層にも色を重ねては表面を磨き、色彩をあらわにしていきます。一見、単色の色面にみえますが、何層にも重ねられた複数の色のグラデーションは深い奥行きを生みだし、いくら見ても見飽きない豊かさを湛えています。 07年には挽物の支持体から、塗料だけをはがし、直径約10cmの塗膜だけで自立する作品を発表しましたが、それとは対照的に本展のメイン作品は、アルミを支持体にした直径90cmの円形の大作に挑みます。新作15,6点あまりを、APSと同じフロアにあるGallery Camelliaと2会場にて展示。Camelliaでは、塗膜の花をブーケのようにみたてたインスタレーションと、壁面に直接描く作品を展示します。これまでの榎本の一つの集大成となる展覧会となるはずです。 榎本裕一 Enomoto, Yuichi 全文提供: a piece of space APS |
最終更新 2009年 8月 26日 |