展覧会
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執筆: カロンズネット編集3
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公開日: 2014年 5月 28日 |
岸幸太は2005年から東京の山谷、横浜の寿町、大阪の釜ヶ崎を繰り返し撮影し制作をしています。「人への興味は、その人の持つ傷、見た目から始まる」と岸が語るように、人が持つ、見ることを躊躇してしまう傷や、無視してしまう生を見続ける姿勢はこれまで一貫しています。 近年ではストレートに印画紙に引き伸ばして展示するだけでなく、撮った写真を新聞紙に刷り出す公開制作や、ビラや紙ヤスリなどに撮った写真をプリントし、拾い集めた廃材やプラスチック容器などに貼り付けて発表するなど、表現の手法にも広がりが見られます。 本展では二つの会場を使用し、釜ヶ崎で撮影した捨てられた和菓子の空き缶や文鎮の空き箱、湿布の空き袋などの顧みられることのない「物」の写真と、廃棄された床材の実物とが一緒に展示されます。写真だけでなく実物の「物」をも会場に並べることは、近年の岸にとって必然であり、写真と実物の「物」とが、ぶつかり合うような展示は、普段、見過ごしてしまう「物」に剥き出しの姿があることをより一層、私たちに気づかせるでしょう。
[作家プロフィール] 岸幸太 KISHI Kota 1978 年 千葉県生まれ 2003 年 専門学校東京ビジュアルアーツ写真学科卒業
個展 2004 年 「welcome」 (photographers’ gallery・東京) 2006 年 「傷、見た目」 (photographers’ gallery・東京) 「傷、見た目」 (photographers’ gallery・東京) 「傷、見た目」 (photographers’ gallery・東京) 2007 年 「傷、見た目」 (photographers’ gallery・東京) 「傷、見た目」 (photographers’ gallery・東京) 「傷、見た目」 (Asia Photographer’s Gallery・福岡) 2008 年 「傷、見た目」 (photographers’ gallery・東京) 2009 年 「傷、見た目」 (photographers’ gallery・東京) 2011 年 「もの、しみる」 (KULA PHOTO GALLERY・東京) 「The books with smells」 (KULA PHOTO GALLERY・東京) 2012 年 「釜ヶ崎̶ひなた、彼方」 (photographers’ gallery/KULA PHOTO GALLERY・東京) 「Barracks」 (photographers’ gallery/KULA PHOTO GALLERY・東京) 2013 年 「Things in there」 (photographers’ gallery/KULA PHOTO GALLERY・東京) 2014 年 「ガラクタと写真」 (photographers’ gallery/KULA PHOTO GALLERY・東京) 「GAREKI Heart Mother」 (KULA PHOTO GALLERY・東京) 「Baseball」 (KULA PHOTO GALLERY・東京) 「長田に行く」 (KULA PHOTO GALLERY・東京)
グループ展 2004 年 「火の国展-photographers’ gallery exhibition」(熊本県立美術館分館展示室3・熊本) 2005 年 「借りた場所、借りた時間 photographers’ gallery 横浜展」(BankART studio NYK・神奈川) 2014 年 「未知の雲:7つのストリートを持った街」(台北市立美術館・台湾)
出版物 2004 年 photographers’ gallery File05 『welcome』 2014 年 『ガラクタと写真』 『Baseball』
全文提供:photographers' gallery
会期:2014年6月13日(金)~2014年7月6日(日) 時間:12:00-20:00 会場:photographers' gallery
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最終更新 2014年 6月 13日 |