徳永誠:ハンサム求めて |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2011年 9月 01日 |
徳永誠は1969年生まれの画家。90年代後半に渡米、ニューヨークのブルックリンにアトリエを構え、油絵を中心に制作活動を続けていました。現在から10年前のNYといえば、まだ記憶に新しいあの9.11無差別テロが起こった年です。徳永もアトリエの屋上から自身の目で、ワールドトレードセンターが崩れていく様を目撃しました。 徳永は翌年に帰国。文字通り「一撃」で世界が一転してしまった出来事を間近で体験し、絵画や芸術の無力感を強く覚えたといいます。そうした体験から、いったんは制作活動を休止しましたが、再び日本にて活動を開始。あの日から10年を迎えるにあたり、Ongoingにて、その活動を本格的に再会することとなりました。 徳永の描く絵画は、女性を中心に様々な人物が登場し、背景には壮大なストーリーが垣間見えます。きらびやかな装飾をまとう女神を思わせる女性像や、原色で描かれる個性的なキャラクターからは、現代における神話を感じ取ることもできるでしょう。その神話はどこか暗い陰を引きづりながら、終わることなく今なお進み続けるものであり、徳永の絵画はその象徴的な場面場面を印象的な色面でとらえるのです。 奇しくも本展示の最終日は、あの日からちょうど10年目の9.11。一人の多感な画家の中で流れた10年の軌跡が溢れ出る絵画展。ぜひ多くの方々にご覧いただければと思います。 ■ 9月3日 (土) 19:00~ ■ 9月11日 (日) 19:00~ 全文提供: Art Center Ongoing 会期: 2011年8月31日(水)-2011年9月11日(日) |
最終更新 2011年 8月 31日 |