松本春崇:縄文式ダブルバインドハウス |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2011年 3月 08日 |
松本春崇は1986年多摩美術大学大学院修了後、フランス政府給費を受け1987-89年、パリのエコール・デ・ボザール(C.ボルタンスキーに師事)留学。2003-04年、文化庁の派遣によりニューヨーク滞在し、写真や映像、絵画、彫刻など多岐に渡る作品を国内外で発表してまいりました。 制作素材にとらわれない様々な表現スタイルには松本の「我々はルールを作りそれらに自ら縛られながら生きている」という問題意識が強く影響しています。松本は、我々を縛っている様々なルールを自分が縛り返すことで、縛っているものを顕わにしたいといいます。 近年数多く制作を行って来た「家を縛るプロジェクト」では、現代の生活には欠かせない「衣・食・住」いうルールの中、縄文時代以降われわれを縛り続けている「住」という言葉に縛られる我々をアイロニカルに表現してまいりました。それらの表現には人口の増加や環境破壊、リーマンショックなど大きな意味で「人が住まう」という問題から派生したこんにちの社会問題を現在進行形で予見しているのかもしれません。 今回の展覧会では松本が近年制作に力を入れている「家を縛るプロジェクト」の一環としてギャラリーを実際に縛ります(3月5日に実施)。またこれまで縛って来た家やモノのアーカイブに加え使用してきた縄で制作した作品や新作の立体作品を展示致します。また制作の過程で生まれた様々な模型や平面作品なども同時に展示致します。 我々自身が生み出したルールそのものに問題意識をおき様々な表現方法からその問題と向かい合い視覚化してきた松本が投げかける作品には、これから新たに作られていく価値基準やルールに対する問題提起でもあるのです。 松本春崇 ※全文提供: アイショウミウラアーツ 会期: 2011年3月5日(土)-2011年4月2日(土) |
最終更新 2011年 3月 05日 |