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WATARU KOMACHI:Recent Works VERY STICKY FINGERS VOL.3
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2012年 10月 29日

©Komachi Wataru

TRAUMARIS では本シリーズの最後を飾る、小町渉の最新コラージュ展を開催いたします。すべてアナログで STICKY な、ポストカードのコラージュ作品約50点を発表します。100mm x 148mm という極めて小さな絵葉書サイズの画面に、小町ならではのパンクとくすぐり笑いのエスプリが凝縮された作品は、1〜3万円といった価格帯を予定しており、「MY FIRST ART」に相応しいコレクションとなるでしょう。
小町渉は、東京、京都、パリの3都市を拠点に、アートとプロダクトとファッションの領域を自由自在に行き来する作品を制作してきました。著名なアートコレクターでもあった故デニス・ホッパーにその才能を見出されたことからアーティスト活動をスタート。2000年、クラシックなアームチェアなどの中古家具の張り地を、シルクスクリーンによるハンドプリントのオリジナルファブリックに張り替えた作品を発表。HERMESの現アーティスティックディレクターを務めるデザイナー、クリストフ・ルメールより協同制作の依頼を受けたパリでの個展を契機に、ヨーロッパ進出を果たしました。
「ギターの3コードみたいに、シンプルで、最大の効果のある方法を選んだ」という小町の作品は、ありふれたプロダクトにパンクスピリットをエレガントなやり方で注入する独自のアプローチによって生み出されます。デュシャン以来のレディメイドとサンプリング&リミックスの現代芸術史において、ミュージシャン出身である小町のスタンスと関連の深い作家を挙げるとすれば、グラスゴー出身のジム・ランビーでしょう。
ジム自身が「寝室のベッドの上でこしらえるハンドメイドの儀式」と呼び、ティーンエイジの頃から変わらない「感触」をもっとも煌めかせる手法が、小町がデビュー以来、毎日のストレッチのようにつくり続けるコラージュです。悪ガキ紳士たちの名盤にあやかった「VERY STICKY FINGERS」のタイトル通り、古い図鑑や雑誌、絵葉書から蒐集したおびただしい量の猥雑なイメージを、指をべたべたに汚しながら重ね、貼り続ける小町の「日常の儀式」を、2012年、3回にわたりご紹介いたします。
コラージュという手法は即興的ですが、“街っ子”ならではの「熱狂と冷静」が共存する都市的なセンスが決め手となると、常日頃考えております。

[作家プロフィール]
小町渉 Komachi Wataru
東京都出身。アーティスト。デニス・ホッパー監督「ラストムービー」パンフレットへのコラージュ作品を依頼され、その作品がアートコレクターとしても有名なホッパー氏の目にとまり、彼のコレクション作品となる。その際、ホッパー氏のロスアンジェルスにある自宅兼オフィスを訪れ、彼の膨大なアートコレクションに刺激を受け、本格的にアートの世界へ身を置く。
2000年、DEEP galleryにて個展を行う。中古家具をリメイドした作品が話題となる。同年、仏ファッションデザイナー、CHRISTOPHE LEMAIRE氏
(現エルメス アーティスティックディレクター)とのコラボレーション展「WATARUKOMACHI@CHRISTOPHE LEMAIRE)をパリにて開催。この展示
を機に本格的に海外へと進出。2005 年、デザインタイド TOKYO 第 1 回「BEST TOKYO DESIGN」受賞。2008 年、松屋銀座にて全館フロアを使
用した大規模コラボレーション「WATARU KOMACHI X MATSUYA GINZA」。2009 年、日本メンズファッション協会 MFU 第6回「ベストデビュタン
ト賞」ARTIST 部門受賞。2010 年、アルフレッドダンヒル 世界4都市同時開催 DUNHILL アーティストウィンドウプロジェクト東京代表に選出。2012年「VERY STICKY FINGERS VOL.1& VOL.2」(TRAUMARIS|SPACE)、写真展「A WHITER SHADE OF PALE」と同名の写真集出版(CLEAR EDITION & GALLERY)。

opening reception : 11 月 7 日(水)18:00-21:00


全文提供:TRAUMARIS|SPACE
会期:2012年11月7日(水)~2012年11月25日(日)
時間:16:00-24:00(日曜14:00-22:00)
休日:月
会場:TRAUMARIS|SPACE
最終更新 2012年 11月 07日
 

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