高山陽介:彼女のウィンク。それをみた私。 |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2011年 2月 12日 |
高山陽介は多摩美術大学在学中より、木を素材として制作を続けてきました。丁寧に精巧に作られた複数の具象木彫作品を一つのインスタレーションとして設置、舞台装置のような形での発表から、陶磁器のようにスムースな表面と不可解な文様を持つ木彫の固体へと集約され、そして今、荒々しい削り跡、磨き上げられた部分、幾重にも重ねられ、したたる塗料など、高山が深く手をかけた痕跡を明らかに残した物体が現れます。これらは作者である高山との強い結びつきの中で見るものを拒絶しながら、そのボンド(bond)に酔い、豊かな表情を我々に向けています。いわゆる具象木彫の放つうれいを帯びた共有感とはかけ離れ、見るものは、作者とその創造物だけが共有できる幸せな「気配」を垣間見ることしか許されないのです。高山陽介にとっての、木彫、そして彫刻のあり方をご鑑賞ください。 高山陽介 ※全文提供: ギャラリー・ハシモト 会期: 2011年2月22日(火)-2011年3月11日(土) |
最終更新 2011年 2月 22日 |