福永大介:ノスタルジア |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集3 |
公開日: 2013年 1月 10日 |
福永大介は、身近にありながら普段私たちが目にとめることもない取り残された場所、誰からも忘れ去られたような物を描きます。うらぶれた空き地、建築中のビルのまだ電気工事もされていない地下室や、モップなどの使い古された掃除用具、タイヤ、地面にとぐろをまいた水道ホース、廃棄物など。「タイヤやモップが置かれている様が、そこだけ時間のずれている、抜け落ちているような印象を感じ、それがとてもドラマティックに思える」と話す福永のペインティングのなかでは、それらの物たちは、通常付与されている使用価値を脱ぎ捨て、感情や人格すら得たかのようにそれら自身で存在しています。 2011年の小山登美夫ギャラリーでの個展「何かを味方にすること」で福永は、初めて人物を描きました。空虚や無目的のなかでも拠り所となるものを見つけて豊かに存在する人物たち。並べられたホイールに向かってタクトを振る人物を描いた「private orchestra」など、彼らの個人的な充足した瞬間を、大きいサイズのキャンバスにダイナミックにとらえた作品を展示しました。 独特のタッチで描かれたこれらの福永のペインティングは、演劇的な強い喚起力をもっています。虚構と現実が溶解し、そこにたちあがる濃密な感覚。それは「最初に感じたイメージは絶対に形にしなければならない」という福永が真摯に突き詰め、時にはそれを超えることによって仕上げられていくペインティングに、力強く宿っています。 [作家プロフィール] オープニングレセプション 1月25日(金) 6:00 - 8:00pm 全文提供:小山登美夫ギャラリー 京都 会期:2013年1月25日(金)~2013年3月9日(土) 時間:11:00 - 19:00 休日:日・月・祝 会場:小山登美夫ギャラリー 京都 |
最終更新 2013年 1月 25日 |