森山 大道 x 蜷川 実花 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2011年 6月 27日 |
森山大道 《美しい写真の作り方・6 下高井戸のタイツ》1987年|B & W プリント | イメージサイズ:27 x 39.4 cm|プリントサイズ:36.4×43.1 cm | 画像提供:タカ・イシイギャラリー | Copyright© Daido Moriyama タカ・イシイギャラリー京都と小山登美夫ギャラリー京都の共同企画展。 今回の企画展に際し、タカ・イシイギャラリーは森山大道の80年代を代表する写真作品「美しい写真の作り方・6 下高井戸のタイツ」15点(すべてモダン・プリント)を展示いたします。『写真よさようなら』(1972年)以降、自身が「写真との肉離れ」と語るスランプに陥った森山は、雑誌『写真時代』1981年9月号から連載を開始した「光と影」シリーズにより、「写真とは何か」という問いに答えを見いだし、再び写真を撮る日々を取り戻します。 今回展示する作品は、「犬の記憶」シリーズ(『アサヒカメラ』1982年4月号より連載)、「仲治への旅」シリーズ(『写真時代』1984年8月より連載)、「DOCUMENTARY」シリーズ(『写真時代』1985年8月号より連載)と並び、見事に復活を遂げた森山の、80年代の旺盛な撮影意欲を証明する作品群の一つです。 小山登美夫ギャラリーは、蜷川実花の7月20日発売の写真集「月刊 MEN SPECIAL 窪塚洋介 NOWHERE」(発売元:ポニーキャニオン、税込価格:¥3,200)に収録されている作品を展示します。俳優業だけでなく様々な分野で活躍する窪塚洋介を蜷川実花が撮った、「共犯関係の二人が創った写真世界」(同写真集プレスリリースより)が表現されたシリーズです。 蜷川の作品がもつ、様々な感情、また非現実的な世界をも喚起するような独特の色彩。その光、また色の深度を強めることによって浮かび上がる闇。光をまとっていても、影に包まれていても、蜷川の作品の対象は彼女がつくりだす特別な世界の中だけでしか見せることのない一瞬の特殊な美、生の豊潤さをとらえられます。 [・・・]館内の順路も終わりに近い壁面で、突如というか唐突というか、僕は蜷川実花さんの、あの原色の花々が氾濫する一枚の巨大パネルと出っ喰わしたのである。そして、そのパネルが辺りに放つ極彩色のインパクトは、それまで巡ってきた仄暗い館内と、時を経て多分にくすんで映る数々の名画との対比もあって、異様なまでの輝きと眩惑と凶々しさに充ちていた。つまりそれは、はっきりビジュアルスキャンダルであり、僕は内心でニヤリとした。[・・・] [・・・]森山さんの写真は、写真の世界に進めば進むほど、撮れば撮るほど大好きになっていくんですよね。[・・・]近作では、「ハワイ」(2007)がとくにショッキングでした。あんなハワイはこれまでに見たことがない。写真の中にある影の濃さにゾクゾクしました。撮る人によって違う切り取り方をするのは重々承知ですが、「森山さんが撮るとこうなるんだ!」ということがあまりにもストレートに伝わってきて。[・・・] この度初めて京都で実現した、時代を挑発するふたりの写真家の二人展を是非ご高覧ください。 【森山大道 x 蜷川実花 トークイベント】 【森山大道 略歴】 【蜷川実花 略歴】 全文提供: 小山登美夫ギャラリー 会期: 2011年8月6日(土)-2011年9月24(土) ※夏季休廊:8月14日-22日 |
最終更新 2011年 8月 06日 |