| EN |

福居伸宏:アステリズム
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 7月 11日

画像提供:小山登美夫ギャラリー|Copyright © Nobuhiro Fukui

【作品紹介】
福居伸宏はデジタルカメラを用いて深夜の時間帯の風景を撮影し続けています。完成された作品群は「美しいという基準では撮影していない」と福居自身が語るように無造作に選ばれ、フレーミング(=写真構図)の意図すら取り除かれているようです。以前から福居が「被写体」ということばを使わない通り、意図や作為・意匠を極力取り除いた「あるがままの風景」「いま自分が見えている通り」を撮影することのできる、カメラという機材が本来持つ機能が最大限生かされた作品が並びます。人や車、標識や看板が映り込むことのない深夜の姿は、鑑賞者が持つ「夜=暗い」というイメージに収まりきらない実に多様な光景で、人々が様々に持つ固定概念自体を再認識させてくれると言って良いでしょう。

【この展覧会について】 
「アステリズム」とは、文中で注意を促す為に用いられる三ッ星印のことであり、また星群・星座という意味に用いられる言葉です。「言葉・サイン・看板が写っている写真は物の見方が限定される。写真に意味付けが行われた瞬間から人はその写真をよく見なくなる。意味付けを与えるようなものが写り込まない写真で鑑賞者を宙ぶらりんにしてみたい」と福居は話します。本展では3年間かけて撮影を続けたシリーズの中から約20点を展示予定です。

【作家プロフィール】
福居伸宏は1972年徳島県鳴門市生まれ。2004年から1年間、写真家金村修のワークショップに参加しました。
東京とベルリンで個展を行うほか、2007年にはトーキョーワンダーサイト渋谷の「WONDER SEEDS 2007」・「東京画-ささやかなワタシのニチジョウのフーケイ」にそれぞれ参加しました。2008年Paris PhotoフェアにおいてBMWのコンペティション「Never Stand Still」にてセカンド・プライズを受賞しました。近年では2009年フランス大使館旧館での「NO MANS LAND 創造と破壊@フランス大使館 最初で最後の一般公開」、2010年「DOUBLE VISION」映像におけるフィクション/リアリティ(トーキョーワンダーサイト渋谷)に参加しています。小山登美夫ギャラリーでは2008年に個展「Juxtaposition」を行って以来二度目の展示となります。

アーティストウェブサイト:www.nobuhiro-fukui.com

※全文提供: 小山登美夫ギャラリー


会期: 2010年8月7日(土)-2010年9月4日(土)

最終更新 2010年 8月 07日
 

関連情報


| EN |