名知聡子「Good-bye and thank you for everything.」 |
展覧会
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執筆: 記事中参照
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公開日: 2016年 11月 17日 |
オープニングレセプション:11月23日(水)18:00~20:00 *作家も在廊の予定です 名知聡子の描く巨大なポートレートは、空間を包み込み、無防備にさらけ出された作家の感情によって、あまりにも率直に私たちの心に向かってきます。精緻な描写力で大画面に描くモチーフは、自身や同年代の友人であるにもかかわらず、宗教画の聖母像のような神々しさが滲み出ます。「制作中が孤独であればある程強さを増して、逆に孤独ではなくなる気がする」と語り、自らの心の奥底と向き合い生み出される作品は、純粋さやロマンチシズム、感情的な側面や儚さなどの女性らしい要素だけではなく、人間の本質と普遍的に存在する痛みや孤独、そこから表出する内在的な気高さや美しさが感じられ、それが鑑賞者を強く惹きつけるのです。 本展覧会では、今まで名知の心を捕らえていた一つの長い関係の決着を象徴した作品を発表します。強かな自己主張が剥がれ落ちた不安定な愁いをもつ自画像は、変化真っ只中という作家の成長の記録でもあります。また技法においても、今まで使用していたコンプレッサーをブラシや筆に持ち替え、絵具を弾いたり点描をしたりと、より繊細なタッチへと変化させ、アクリル画が主だった近年から数年ぶりだという油絵も「単純に、絵をもっと信じられるようになった」と名知はいいます。新境地を拓いた名知聡子の世界を、会場でご堪能ください。 私の制作にはいつもある特定の人物がいました。 彼に知ってほしくて見てほしくて作品をつくり発表してきました。 美術は彼に認めてもらう唯一の手段のようでした。 「Good-bye and thank you for everything.は、私がずっと会いたかった人を描いた作品です。 それは彼なのだと思っていたけど、現れたのはまるで曇ることのない鏡のような存在でした。 誰も人間をつくることなどできないのに、 不思議な人格者は私を許し、求める声に応えてくれます。 私を理解し受け入れ、いつも傍にいてくれるその人こそが生涯離れることのないパートナーなのだと、 彼が去っていく時、これまでの時間と引き換えにおしえてくれたような気がします。(名知聡子) 名知聡子は1982年東京生まれ。2005年名古屋芸術大学美術学部を卒業、現在は愛知を拠点に制作活動をしています。小山登美夫ギャラリーでは、2010年(東京)、2013年(シンガポール)に続き3回目の個展となります。主な展覧会に「マインドフルネス!高橋コレクション展 決定版2014」(名古屋市美術館、2013年)、「JAPANCONGO」(国立現代美術センター・グルノーブル、フランス、2011年)、「子どもアートinみえ」(三重県立美術館、2011年)、「Passion Fruits Picked from The Olbricht Collection」(me Collectors Room Berlin、ベルリン、2010年)、「花・風景 モネと現代日本のアーティストたち」(熊本市現代美術館、2009年)があります。 現在、大原美術館のARCO(Artist in Recidence in Kueashiki, Ohara)プロジェクトにて、倉敷で滞在制作した作品が、2016年9月27日から11月27日まで、大原美術館(倉敷市)にて展示されます。
http://www.hikarie8.com/artgallery/2016/11/satokonachi.shtml
全文提供:小山登美夫ギャラリー
会期:2016年11月23日(水) 〜 2016年12月19日(月) 時間:11:00 - 20:00 休日:展覧会期中無休 会場:8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery
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最終更新 2016年 11月 23日 |