『循環する世界-山城知佳子の芸術-』沖縄にて出版記念イベント |
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執筆: カロンズネット編集
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公開日: 2016年 6月 02日 |
沖縄が抱える様々な問題を題材に映像作品を制作してきたアーティスト、山城知佳子。その活動を振り返る論稿集『循環する世界 -山城知佳子の芸術-』の出版を記念して、2016年6月4日(土)に、D&DEPARTMENT OKINAWA by OKINAWASTANDRD (沖縄沖縄県宜野湾市)でイベントが開催される。
同イベントは、第一部として、昨年の第二十回アートフィルム・フェスティバル(愛知県芸術センター)で企画上映された山城知佳子の新作『創造の発端 ―アブダクション/子供―』の上映会を実施。
第二部では、山城知佳子と、同書籍の企画者である浅沼敬子、ユミコチバアソシエイツ代表の千葉由美子、ゲストの琉球大学教授・新城郁夫の四者によるトークイベントが開催される。
社会問題を扱う上で、アーティストによる表現は、ジャーナリストによる告発とも研究者による分析とも異なる。一見、遠回しでわかりにくい「芸術」というアプローチがどのような意味を持つのか。映像作品から感じ、書籍とトークから考える機会になるだろう。
【『循環する世界-山城知佳子の芸術-』出版記念イベント】
●日時: 2016年6月4日(土) 15:00~17:00 ●会場:D&DEPARTMENT OKINAWA by OKINAWASTANDARD (沖縄県宜野湾市新城2-39-8, 2階) ●定員: 40名(申し込み不要、参加費無料) ●主催:山城知佳子、浅沼敬子、ユミコチバアソシエイツ ●協力:D&DEPARTMENT OKINAWA by OKINAWASTANDARD、町田恵美
・第一部 15:00-15:30 山城知佳子『想像の創造の発端 -アブダクション/子供-』上映会
・第二部 15:30-17:00 トークイベント: 登壇者:山城知佳子(美術家) x 浅沼敬子(北海道大学准教授) x 新城郁夫(琉球大学教授) 進行:千葉由美子(ユミコチバアソシエイツ代表) ※終了後サイン会を予定
【上映作品 『創造の発端 - アブダクション/子供-』】
山城知佳子(2015年)デジタル,カラー,18分 脚本・撮影:山城知佳子/出演:川口隆夫/サウンドデザイン:高木創/編集:平田竜馬/協力:大野一雄舞踏研究所/企画:愛知芸術文化センター/制作・所蔵:愛知県美術館/エグゼクティブ・プロデューサー:越後谷卓司
――ダム・タイプのメンバーでダンサーの川口隆夫が舞踏家の故・大野一雄を「再現」する試みに密着取材することで、彼の創作のプロセスを、沖縄戦に巻き込まれた人々の体験談をいかにして自身の肉体に継承するかに取り組んできた山城知佳子が映し出します。(作品紹介より)
【書籍『循環する世界 -山城知佳子の芸術-』】
――美術、映像、文学、フェミニズムやジェンダー、クイア理論等さまざまな領域で注目されてきたアーティスト、山城知佳子。映像アーティストとしての山城の10年間を振り返った本書は、映像以外の作品を含め初期からの活動を、対談と図版、論考でたどります。沖縄に生まれ育った山城は、在沖米軍基地の存在、沖縄戦の記憶の継承可能性等、同地が抱えるさまざまな問題を素材として取り上げながらも、卓抜な着眼点と高度に比喩的な表現によって、それらの分析や告発に向わず、われわれの感官に訴える芸術作品へと「昇華」させます。東京国立近代美術館や水戸芸術館の専門家を書き手として迎えた本書は、沖縄問題の反映・告発という解釈から距離を取り、山城がその卓抜な表現によって描き出す深化された「沖縄」像を、言葉によって追究します。山城作品に関心を持つ人はもちろん、もうひとつの現代「日本」映像表現論として、国内外の人々に読んでもらいたい一冊です。(浅沼敬子)
収録: ・Talk 山城知佳子─ 自作を語る ・Essays 浅沼敬子:北海道大学大学院文学研究科准教授 高橋瑞木:水戸芸術館現代美術センター主任学芸員 鈴木勝雄:東京国立近代美術館主任研究員
仕様:A5判 / 176頁 / モノクロ (一部カラー) / 和英併記 価格:2,000円+税 ※初版限定500部
購入は、全国の書店、関連展開催ギャラリー、もしくはYCAオンラインストアにて。 イベント当日、会場でも販売予定。
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最終更新 2016年 8月 31日 |