展覧会
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執筆: カロンズネット編集3
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公開日: 2013年 8月 29日 |
「静かに行くこと、遠く内省すること」 四分の狂気と六分の正気。その狂気に芸術の神は降りてくる。 私は、変わらない。変われない。ただ、このことのみを不器用に信じてきた。 空間や景観を相手に幾度も幾度も変わらず丸太や陶ブロックを積むことは、 神無き時代の信仰への希求だ。時折、本当に時折、見えない何ものかの力を 借りて作品が出来てしまうことがある。私は、いつも静かに遠く内なる狂気に 憑くその何かを内省しながらじっと待つのである。 屋内の展示は、いつもアーキタイプの提示になる。7年ぶりのなつかでの 個展は、一歩だけ遠くへ行きたい。なつかでは内省を、つづく9月の雨引では 屹立する孤高をみせたい。気まぐれな憑依者に、私は少年のときから、切に 真摯に嘘なく向き合いたいとずっと変わらず変われず願ってきた。 15の時、図書室でふと手にしたTimeLifeの心の話という本で初めて狂者の 自画像を年代順に見たとき、少年の私には、次第に進行するその病の闇の深さと 真逆に表現された精神が次第に透明に高貴になっていく様を言葉にできず、 ただただ感動し絵を支える狂者の精神の崇高さが私の心底に落ちていった。 翌週、授業のおり普段は見もしない中学の美術教科書を捲ったとき、不意に その狂者がVan Goghであると知った驚愕の瞬間から、私は美術という世界から 逃れられずにいる。それほど私は貧しく無知であった。
[作家プロフィール] 1981 北海道教育大学教育学部(札幌)特設美術科卒業 1983 筑波大学大学院修士課程芸術研究科修了 主な個展 2006 「静かに行く、遠く帰る」ギャラリーなつか/東京 2007 「遠い予感」GALLERY HIRAWATA/神奈川、「森の竜神」金津創作の森/福井 2013 「思考の堆積:空間の読み方」ギャラリーなつか/東京 「アーティスト・ファイル2013-現代の作家たち」 国立新美術館/東京
全文提供:ギャラリーなつか&C-View
会期:2013年8月26日(月)~2013年9月14日(土) 時間:11:00~18:30 (土曜日17:00まで) 休日:日 会場:ギャラリーなつか&C-View
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最終更新 2013年 8月 26日 |