谷口和正:FRAGILE4+いしかわゆか |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2013年 6月 10日 |
鉄の彫刻家、谷口和正が生命のサイクルを象徴する月をモチーフとして、光と闇、生と死が共存する空間を表現します。アルファベットの大文字を刻んだ中空の球体(直径45cm)3点を配置。中に入れたLEDの光によって文字の影を白い布や床に映します。 球体の素材は鉄。谷口はガス溶断によって鉄板から文字をくり抜き、形を整えた後、溶接でつなぎ合わせます。英語の言葉はある歌の歌詞からとっていますが、人間が月を見て文字を考えるなど、月を思索の対象にしてきたことを暗示しています。 球体は、それぞれの一部を磨き、他の部分をさびさせることで三日月や半月を表します。満ち欠けによって形を変える月。谷口はその絶え間ない変化にも興味を抱いてきました。光が見えず闇に覆われている時を含めて、すべてが生命のサイクルの一環であるという解釈が作品の背景にあるようです。 壁面の展示には切り絵作家、いしかわゆかが参加。ゲッカビジンの花をモチーフに用い、谷口が制作する「鉄の花」と同じ大きさ、同じ形をした「紙の花」を散りばめます。月が満ちていくように成長し開花した後、実を落とし、闇へ消えていくまでを鉄と紙で表します。鉄を溶断して制作する谷口と、紙を切って制作するいしかわを「切る」という観点で結びつけるコラボレーションの試みでもあります。(写真は谷口和正「Iron Moon」) [作家プロフィール] 全文提供:橘画廊 会期:2013年6月4日(火)~2013年6月22日(土) |
最終更新 2013年 6月 04日 |