刀川昇平:Life |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2012年 11月 28日 |
広島在住の若手美術家、刀川昇平の個展。爆弾のようにも、種子のようにも見える楕円形や植物の枝や葉などをモチーフにした絵画と立体を出品します。土の匂いが好きだという刀川は、絵画に矩形ではないパネルを用いたり、立体作品に桐の枝など自然の素材を用いたりしていますが、それらは素朴でありながら都会的な雰囲気も感じさせる作風です(写真はアトリエの風景)。 絵画は、珪藻土を使ってつやを消した下地にアクリル絵の具の薄塗り。背景や葉の色が明るく、からみ合う線が生命力を伝えます。しばしば登場する楕円は、爆弾による破壊と種子による再生の両義性を持つモチーフ。作家の故郷である広島に原爆が投下された後、その年の秋に植物が芽吹いたというエピソードからも影響を受けています。 立体作品の楕円球や桐の枝などにみられる、下が黒で上が白というシンプルで奥深い配色も、「死と再生」を切り口にした世界観の表れでしょう。桐の枝の皮をはいでバーナーで焼いたり特定の塩を使ったり、黒と白の表情の出し方に工夫を凝らし、この世界観を支えています。 [作家プロフィール] 全文提供:橘画廊 会期:2012年12月10日(月)~2012年12月22日(土) |
最終更新 2012年 12月 10日 |