高橋万里子:Night Birds / lonely sweet |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2011年 2月 05日 |
高橋はここ数年にわたって、白い壁をバックに、人物や人形、植物や剝製等を、室内灯だけを使用してあえかに撮影する「月光画」シリーズを制作・発表してきました。本展はphotographers’ gallery とKULA PHOTO GALLERYの2会場で、ともにシリーズの新作を発表します。 《Night Birds》は、とくにフライフィッシングの毛針材料として使用される「鳥」の死骸に対象を絞り、これまでと同じ手法を使いながらも、イメージは鮮明になり、突き放し、よりクールに向かう方向を定めているようです。作者が自身との距離を慎重に測りながら、繰り返し対象に迫ることによって、剥製はさまざまな様相を見せます。固定されたイメージではなく、それらは静物から顔、そして顔から風景へと、見る人の前で微妙に姿を変化させていくようです。 《lonely sweet》では、作者が子どもの頃に好きだったというクリームソーダ、パフェ、かき氷などが花柄の布や包み紙を背景に、うつろう時間の中に佇んでいます。今にも溶け出しそうで、食べる前に一瞬見られるだけの儚い姿形。しかし実は、すべて店頭に飾られるためのサンプル食品を撮影したものです。「フェイク」の効果によって、本物と偽物、切実さと滑稽さ、大人と子供が混ざり合い、複雑な作者の意識の襞が見えてきます。 展示内容 《lonely sweet》タイプCプリント/700mm×485mm/3点、450mm×310mm/5点 高橋万里子 TAKAHASHI Mariko 主な個展 主なグループ展 ※全文提供: photographers' gallery 会期: 2011年3月5日(土)-2011年4月22日(金) |
最終更新 2011年 3月 05日 |