中平卓馬:Documentary |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2010年 11月 16日 |
中平卓馬は雑誌『現代の眼』の編集者時代に、写真家の東松照明の薦めにより写真を撮り始め、翌年にはフリーランスとして数々の雑誌で作品を発表すると同時に、写真や映画に関する執筆を開始します。68年には多木浩二、高梨豊、岡田隆彦らと、「思想のための挑発的資料」と銘打った写真同人誌『プロヴォーク』を創刊(2号から森山大道が参加)。「ブレ・ボケ」と称される特有の技法は当時の写真界に大きな衝撃を与えました。73年、評論集『なぜ、植物図鑑か』において、それまでの自らの詩的な表現を否定し、過去に撮影した写真のネガ・フィルムやプリントの大半を焼却。以降、主観や自我を排除し「図鑑」のように即物的に提示される写真へと方向転換を図ります。77年篠山紀信との共著『決闘写真論』を発表後、急性アルコール中毒で倒れ記憶の大半を失いますが、翌年から撮影を再開し、83年に写真集『新たなる凝視』を刊行、89年に『Adieu à X』を刊行。90年代以降は、作品の大半はカラーで撮影され、『hysteric Six: Takuma Nakahira』(2002)の出版をはじめ、精力的に活動を展開しています。 現在も撮影に出かけない日はないという作家の撮影行為は、日々続けられています。本展では03年に横浜美術館にて開催された「原点復帰-横浜」展後の05年頃から10年に至るカラー作品約150点を展示。かつて自身が唱えた「植物図鑑」の理念を実現しているようにも見えるこれらのユニークなカラーの作品群を展示の中心にし、併せて、初期の作品からの転換を図ろうとしていた時期にパリで撮影され、71年パリ青年ビエンナーレで発表された実験的な作品《サーキュレーション――日付、場所、イベント》を、残されたネガからのモダン・プリント(プリント制作=金村修)で10点ほど展示いたします。 中平卓馬(なかひら・たくま) 【関連書籍】 【関連イベント】 対談 高梨豊×吉増剛造|日時:1月30日(日)15時より 【対談 浅田彰×八角聡仁】 【トーク 宮台真司】 ■上記イベント参加予約: http://www.bld-gallery.jp/exhibition/110108nakahiratakuma.html ※全文提供: BLD Gallery 会期: 2011年1月8日(土)-2011年2月13日(日) |
最終更新 2011年 1月 08日 |